カルフェシュからの指令 ☆☆☆

(カルフェシュからの指令 / デトレフ・G・ヴィンター&アルント・エルマー / ハヤカワ文庫SF 2021)

『ペリー・ローダン・シリーズ』の第635巻です。本当に久しぶりに、舞台が深淵の地に戻ります。

「カルフェシュからの指令」(デトレフ・G・ヴィンター):オルドバンの精神を宿したローランドレのナコールが指揮する無限アルマダは、クロノフォシル・テラの活性化を見届けた後、本来のトリイクル9の位置に戻ろうとしていました。ローダンの命令を受けた“ソル”は、それに付き添うことになっていますが、現在の“ソル”の船長はペッチデ人のブレザー・ファドンで、“ソルセルー2”の指揮官はかつてクランドホル公国の賢者として務めを果たしていたサーフォ・マラガンです。現在はファドンの妻であるスカウティと、二人の幼い息子も乗り組んでおり、さらにカプセル光線族の濃淡グリーンも好意から“ソル”に同乗していました。
ファドンやマラガンは、深淵へ落ちていったアトランとジェン・サリクの生存に一縷の望みを抱いていましたが、“ソルセルー1”の指揮官、女性テラナーのジータ・アイヴォリーは、二人の死を前提に行動すべきだと主張しており、“ソル”の乗員たちも二分されて対立が深まっています。そんな折、ソルゴル人カルフェシュが“ソル”の司令室に現れ、コスモクラートからの指令を伝えます。トリイクル9の帰還を確実なものにするには、深淵と既知宇宙をつなぐ深淵穴を、現在の場所から創造の山の上に移動させなければなりませんが、そのためのプシ爆弾を投下する作戦を“ソル”に実行してほしいというのです。
深淵穴へ向かった“ソル”は、7千隻からなる混沌の勢力の大艦隊に進路を妨害されますが、ファドンは無数の小型機を発進させて牽制する陽動作戦を決行し、自らスペースジェットで深淵穴へ向かい、カルフェシュに託されたプシ起爆装置の投下に成功します。その後、カルフェシュは“ソル”に新たな任務を与え、去っていきます。
このエピソードでは、“ソル”やマラガン、ファドンらが新たな任務を遂行するために苦闘するパートと、深淵穴での作戦のメインパート、テラを出発する前のファドンの回想シーンなどが時系列を無視して断片的に語られるため、とても読みにくい展開になっています。ヴィンターの執筆数が少ない(14篇のみ)のは、このような悪癖(?)があったからなのでしょうか。

「深淵の地の危機」(アルント・エルマー):現在の“深淵の独居者”であるグナラダー・ブレクは、住処であるニュートリムから深淵を見下ろしながら、不安を抱いていました。深淵の騎士たちがどうしているのか、時空エンジニアたちは何をしようとしているのか、グレイ領主たちの動向は――。そこへ、最後の生き残りの時空エンジニア5名が、テングリ・レトス=テラクドシャンと共に現れます。時空エンジニアへの協力を拒んでいたグナラダー・ブレクですが、ホルトの聖櫃やレトスの説得もあって、トリイクル9を元の場所に戻すために行動する決意を固めます。
一方、グレイ化したと見せかけて領主判事たちの一員となったアトランとジェン・サリクは、グレイ議場での会議に臨んでいました。目障りなニュートリムを破壊しようとするグレイ領主たちに反対したアトランとサリクは、レトスからテレパシーの連絡を受け、転送機ネットワークを活用して深淵の地を救う計画を立案して、領主判事の賛同を得ます。その動きの中で、サイリンのクリオ、"つむじ風"ボンシン、ハルト人ドモ=ソクラトや、スタルセンの秩序を守っているチュルチとメイカテンダーのウェレベルなど、深淵での冒険を彩ったメンバーの行動が描かれます
そして、ついに無限アルマダが見守る中、トリイクル9が深淵穴に帰還する時を迎えます。

オススメ度:☆☆☆


カルフェシュからの指令 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-635 宇宙英雄ローダン・シリーズ 635) - デトレフ・G・ヴィンター, アルント・エルマー, 若松 宣子
カルフェシュからの指令 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-635 宇宙英雄ローダン・シリーズ 635) - デトレフ・G・ヴィンター, アルント・エルマー, 若松 宣子

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