スマイラーとスフィンクス ☆☆☆

(スマイラーとスフィンクス / エルンスト・ヴルチェク&ペーター・グリーゼ / ハヤカワ文庫SF 2020)

『ペリー・ローダン・シリーズ』の第621巻です。舞台は故郷銀河に戻り、謎の海賊放送局アケローンの正体を探るロナルド・テケナーの動きが描かれます。

「スマイラーとスフィンクス」(エルンスト・ヴルチェク):ツナミ艦隊司令で細胞活性装置保持者の“スマイラー”ことロナルド・テケナーは、ガルブレイス・デイトンの依頼を受け、『警告者』を名乗って不吉なイメージの放送を繰り返す海賊放送局アケローンの正体を探ることになります。破天荒ジャーナリストのメイセンハート一派が陰で糸を引いているとか、十戒の指揮エレメント、カッツェンカットの仕業だとか、果てはヴィルス・インぺリウムに対抗心を燃やす(笑)月面脳ネーサンが仕掛けたものだとか、様々な仮説が取り沙汰されていますが、決定的な手掛かりはありません。デイトンがパートナーとしてテケナーに紹介したのは、ヴィシュナの具象のひとり、“スフィンクス”ことスリマヴォ(スリ)でした。テラに初めて出現したころは幼女の姿だったスリですが、現在は急成長してハイティーンの少女になっています。エンパスの能力を芽生えさせるとともに、男をめろめろに(笑)して自分の虜にしてしまう能力も発揮しています。少女か大人の女性への過渡期にあって、自分の能力を持て余しているきらいもありました。
ヴィルス・インぺリウムが算出した、無限アルマダの太陽系へのルートを入手するデイトンに同行してネーサンの核心たるスチールヤードを訪れたテケナーとスリは、最初の手掛かりを見つけます。スリが誘惑(笑)したハンザ・スポーックスマンのひとりポランテが、無意識のうちにアケローンのシンボルを紙に描いたのです。また、アケローンの放送が行われているとき、ポランテ、同僚の女性パトリシアとセレステの3人のうちいずれかが、スチールヤードに滞在していたことも判明しました。3人はいずれも、ホーマー・G・アダムズの推薦でハンザ・スポークスマンに就任していました。テケナーの質問を受けたアダムズは、彼らがアケローンに関わっているという疑いを一蹴します。
その頃、テラには“スウィンガー”と呼ばれる人々が出現していました。かつてヴィシュナからテラを守るべくプシ・トラストに参加していたものの、任に耐えられず脱落したプシオニカーたちが、モン・ダヴィルを中心に独自の精神活動を開始したのです。かれらは“スウィング冠”と呼ばれる装置を脳に直結することで、ホログラム放送の電波の中に精神を送り込むことができるようになり、様々なドラマなどに実際に参加して体験できるようになっています。彼らが魂を遊ばせる幻想空間はディジーランドと呼ばれ、スウィンガーらはそれぞれ独自のディジーランドに到達しようと試行錯誤を繰り返していました。しかし、モン・ダヴィルはさらに先へ進んで、自分のプロジェクションを特定の受像機から自由に出現させることもできるようになっていました。そして、ダヴィルが目を付けたひとりが、ハンザ・スポークスマンのパトリシアでした。
スリのエンパス能力を使った調査によれば、パトリシアが何者かの影響を受けている可能性がありました。テケナーとスリは変装してスウィンガーのクラブへ入り込みますが、パトリシアはダヴィルともう一人のスウィンガーと一緒に電磁波に乗って脱出してしまいます。

「警告者を追え!」(ペーター・グリーゼ):海賊放送局アケローンの正体は暴かれ、事態は収拾されたと思われましたが、テケナーとスリは一抹の不安を抱いていました。テケナーは、自らが指揮する“ツナミ2”のコントラコンピュータ(ココ)に事態を分析させて、思わぬ暗示を得ます。
一方、ヴィルス・インぺリウムが算出した無限アルマダの飛行コースが発表させると、銀河中にセンセーションが巻き起こります。なんと、無限アルマダはアルマダ部隊ごとに分散し、GAVOKを構成する種族が居住するほとんどの星系を経由して太陽系に向かうというのです。アンティの主星トラカラトでも、アルマダ部隊を迎える準備に余念がありませんでしたが、出現したサスクルージャー人のアルマダ第3017部隊は、沈黙したまま攻撃的な態度をとり、アンティは大混乱に陥ります。
ココの暗示により、ツナミ艦の一隻がアケローンの発信源になっていると疑ったテケナーは、パートナーであるジェニファー・ティロン(実はこの人も、ノス・ヴィゲランドの細胞活性装置を受け継いで、目立たないながら不死者になっているんですよね)とともにツナミ艦隊120隻の目下の状況を確認します。80隻はエレメントの十戒を警戒して銀河系を巡回中、20隻はアダムズの命令を受けて、宇宙ハンザの新たな交易先を見つけるべく銀河系外へ送りだされており、太陽系内にいるのは20隻だけでした。やがて、ある実験の結果、ATGフィールドを使って相対未来に隠れているツナミ艦が小惑星帯に潜んでいることが判明し、テケナーはジェニファーやスリとともに小惑星帯へ向かいます。発見したのは、ツナミ114でした。残された記録から、ツナミ114の乗員は未知のロボット群に不意打ちされて全滅したことがわかります。テケナーらも未知のロボットに襲われますが、危うく脱出に成功します。
その後、3人のハンザ・スポークスマンの足跡を追ったテケナーは、アケローンの黒幕と思われる銀色の服を着た男を発見しますが――。

オススメ度:☆☆☆



スマイラーとスフィンクス (宇宙英雄ローダン・シリーズ621) - エルンスト・ヴルチェク, ペーター・グリーゼ, 井口 富美子
スマイラーとスフィンクス (宇宙英雄ローダン・シリーズ621) - エルンスト・ヴルチェク, ペーター・グリーゼ, 井口 富美子

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