ペギー・スーi 魔法の瞳をもつ少女 ☆☆☆☆

(ペギー・スーi 魔法の瞳をもつ少女 / セルジュ・ブリュソロ / 角川文庫 2005)

“フランスのスティーヴン・キング”と呼ばれる作者ブリュソロが初めてジュブナイルとして書いたファンタジー、『ペギー・スー』シリーズの第1作です。

14歳の少女ペギー・スー・フェアウェイは、小さいころから普通の人には見えない奇怪な“お化け”――“見えざる者”と呼ばれます――が見えていました。これは、“見えざる者”から地球(いや宇宙)を守るために、ペギーが宇宙の果ての星に住む妖精アゼナから授けられた能力です。ペギーにとってはいい迷惑(笑)でしたが、ペギーは“見えざる者”たちの陰湿な嫌がらせに耐え、視線で“見えざる者”を焼き尽くすことができる魔法の眼鏡(と、愛と勇気)を武器に、ただ一人、微力ながら“見えざる者”に立ち向かっています。しかも、魔法の眼鏡を少し使うとペギーの視力が衰えてしまうため多用はできず、魔法の眼鏡は寿命が短いため、定期的に眼鏡屋で新調しなければなりません(その都度、アゼナが新たな眼鏡を与えてくれます)。ちなみに“見えざる者”は、ペギーに直接手を下して殺すことはできませんが、間接的に命を脅かすことはできます(車の運転手に働きかけて、ペギーに突っ込ませるなど)ので、油断がなりません。
今日もペギーは学校の授業中、“見えざる者”の悪戯に悩まされていました。当然ながら、教師や同級生からは“見えざる者”の姿が見えないため、悪戯はすべてペギーのせいにされ、ペギーは頭がおかしな問題児の烙印を押されています。ペギーは、出張で留守がちの父、ペギーのことで悩みが絶えない母、わがままで意地悪で大物になる野心を持つ17歳の姉ジュリアの4人家族でしたが、ペギーが行く先々で問題を引き起こすため、一つの町に定住することができず、キャンピングカーで引っ越しを繰り返しています。
今回の引っ越しで、フェアウェイ家が落ち着いた先は、ポイント・ブラフという小さな町でした。“見えざる者”の姿も見かけず、驚いたことに、転校先の学校ではペギーに友達もできました。恋に恋する赤毛の少女ソニアとは親友になり、ダッドリーという少年にはほのかな憧れも抱くようになります。しかし、“見えざる者”たちは、ペギーに対して狡猾で恐るべき罠を、この平和な町ポイント・ブラフに用意していたのでした。
ある日、町の上空に青い太陽が出現します。たまたまピクニックに出かけていた子供たちのうち、ペギーとダッドリーは怪しく思って日陰に隠れていましたが、日光浴をしたソニアの身に異変が起きます。劣等生だったソニアの学力が天才的に伸び、生徒を見下す高慢な数学教師セス・ブランチをチェスの勝負で叩きのめしてしまったのです。しかし、翌朝にはソニアの能力は元に戻ってしまっていました。これをきっかけに、青い光を浴びて一時的に天才となる住民が続出し、奇怪な発明に取り組むため、町の日常が回らなくなってしまいます。住民の中には危機感を覚える者もおり、推進派と抑制派との間で深刻な対立が起き始めます。“見えざる者”の仕業だと知ったペギーは、母を説得して町から去ろうとしますが、隣町との境界になっている森は“見えざる者”の手によって封鎖されていました。町を脱出しようとする者は、森の中で命を落とすか、気が変になって戻ってくるばかりです。そんな中、能力を取り戻すために、青い光を浴び過ぎたソニアは、知識欲のオーバーフローを起こしてしまい、最終的には廃人同様になってしまいます。ペギーは、信用できるダッドリーに“見えざる者”のことを打ち明けますが、気が変になったと思われるだけでした。
そのうちに、“見えざる者”の計画は第2段階に入ります。ペットとして飼われていた犬や猫、家畜として使われていた馬や牛が知性を得て、「猿の惑星」よろしく人類に反旗を翻したのです。テレパシー能力を使って最初に人語を操れるようになった雑種の青い小型犬が、動物たちのスポークスマンとしてペギーに接触し、動物と人間の仲介役となるよう命じます。これも、ペギーを板挟みの状態にして苦しめようとする“見えざる者”の深謀遠慮でした。テレパシーで人間の行動を操る能力(つまりヒュプノ)を用いる動物は優位に立ち、これまで人間に屈従していた恨みを晴らすべく、次々と無理難題を吹っかけてきます。人々は、従ったふりをして犯行計画を練るのですが、それも空しい試みでした。
ところが、動物たちの間でも穏健派と過激派の深刻な対立が起こり、穏健派のリーダーだった青い犬は、過激派の人類滅亡計画をペギーに告げると、ペギーを解放して姿を消します。そして、“見えざる者”が口を滑らせたことから青い太陽を破壊する手段があることを知ったペギーは、憎まれ教師のセス・ブランチと協力して、唯一のチャンスに賭けるのでした……。

現在、本シリーズは第11巻まで邦訳されています。続きは忘れたころに(笑)登場。

オススメ度:☆☆☆☆




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