ビジネス裏極意 商神の教え ☆☆☆

(ビジネス裏極意 商神の教え / 荒俣 宏 / 集英社文庫 1997)

集英社文庫版『荒俣宏コレクション』の1冊。
ディレッタント的な内容に偏ることが多い荒俣さんの著作には珍しく、実業であるビジネスの分野に役立つ内容や金言が並んでいます。それもそのはず、伝統ある日本的経営や日本の商人の神髄を紹介し、MBAなどの西洋合理精神を基盤としたビジネス手法とは一線を画す(というか真逆の)商売の秘訣を探ろうというのが、本書のテーマなのです。従って、おなじみの歴史や文化に関するアラマタ流の蘊蓄が傾けられると同時に、現代ビジネスにも(いや、現代ビジネスだからこそ)十分に通用する精神的バックボーンや具体的手法が、キラ星のごとく散りばめられています。

第1部「繁栄を招く神々」では、商売繁盛の願いをかなえてくれる神様たち――福助やビリケンさん、招き猫といった有名どころから、これまで聞いたこともなかったローカルなものまで、11の神様が紹介されています。

第2部「元祖・本家ものがたり」では、長い歴史(場合によっては数百年)を誇る伝統ある商店が、紆余曲折を経ながらも現代まで命脈を保ち、繁栄を続けることができた理由を、様々な角度から分析・紹介しています。歴史の片隅に埋もれた印象的なエピソードの数々が、その商店のアイデンティティ、強味といったものを象徴しています。どの商店にも、朝ドラにしたいくらいの魅力的なエピソードが満ち溢れていることが、よくわかります。

第3部「遊びほど金のかかるものはない」では、やや視点を変え、本業を離れて、文化事業や地元おこしに力を注ぐ商売人たち、普通人から見たら気●●い沙汰としか思えない途方もないこだわりを見せるビジネススタイルを貫く経営者など、“好きなことには金を惜しまない”突き抜けた人々を紹介しています。

どこから読んでも目からウロコ――新入社員時代に上司や先輩から教えられた、西洋的経営では否定された「営業にとって大事なGNP」のことを思い出しました(^^; ちなみに、このGNPとは「国民総生産」ではなく、「義理(G)と人情(N)とプレゼント(P)」の略称です。

オススメ度:☆☆☆


商神の教え 荒俣宏コレクション2 ビジネス裏極意 (荒俣宏コレクション2) (集英社文庫) - 荒俣 宏
商神の教え 荒俣宏コレクション2 ビジネス裏極意 (荒俣宏コレクション2) (集英社文庫) - 荒俣 宏

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