想像力の地球旅行 ☆☆☆☆

(想像力の地球旅行 / 荒俣 宏 / 角川ソフィア文庫 2004)

17世紀から19世紀にかけての博物学の歴史を、主役たる数々の博物学者とその著作にスポットを当てて解説したもの。荒俣さんがもっとも得意な分野ですが、副題が「荒俣宏の博物学入門」となっているように、博物学の初心者にも、その素晴らしさがわかりやすく伝わるようになっていますし、マニアにとっても十分に満足できる内容です(目からウロコの新情報が、いくつも見つかりました)。残念なのは、収録された魅力的な動植物の図版がすべてモノクロだということですが、カラーの図版は、『アラマタ図像館』シリーズ(小学館文庫)などで手軽に見ることができます。

登場する主な博物学者、分類学者、探検家は、よく知られている人たちだけでも、キャプテン・クック、シーボルト、フンボルト、ベイツ、ウォーレス、リンネ、ビュフォン、キュヴィエ、ダーウィン、ラマルクなど。最後の100ページでは、江戸から明治期にいたる日本の博物学の歴史も、西洋との関わりという視点から描き出しています。
当時の博物学者には、はるかな現地へ赴いて実地に動植物を採集してくるフィールドワーカー(探険家もこの中に含まれます)と、研究室に引きこもって、届けられた標本を分類整理する“キャビネット博物学者”の2種類がいて、大抵の手柄は後者のものになってしまったことや(当然、荒俣さんは前者びいきです)、日本でオウムや九官鳥に言葉を教えるとき、「おタケさん」が多用される理由とか(笑)、楽しく、実生活にはまったく役に立たない有意義な(?)情報が満載で、まさに書斎(?)にいながらにして知的な冒険が堪能できました。

オススメ度:☆☆☆☆


想像力の地球旅行―荒俣宏の博物学入門 (角川ソフィア文庫)
想像力の地球旅行―荒俣宏の博物学入門 (角川ソフィア文庫)

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