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zoom RSS 「密室」傑作選

<<   作成日時 : 2007/05/05 19:03   >>

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「密室」傑作選 甦る推理雑誌 5 / ミステリー文学資料館:編 / 光文社文庫 2003)

戦後間もない昭和20年代の探偵小説雑誌を紹介するシリーズ第5巻です。今回は商業誌ではなく、同人誌として10年近く続いた「密室」です。単なる愛好家やファンの集まりにとどまらず、鮎川哲也さんが別名義で書いていたり、海外作品を翻訳紹介するなど、精力的な活動が特筆されます。
発行責任者による発刊の辞のほか、5篇の長短篇が収録されています。

「苦の愉悦―密室発刊に際して―」(竹下 敏幸):代表者による、熱意あふれる発刊のことば。
「罠」(山沢 晴雄):町工場に勤める主人公は、自分のしくじりが発覚するのを防ぐために深夜の工場で知恵を絞ります。深夜の静まり返った工場内での鬼気迫る主人公の描写に迫力があります。プロレタリア文学風味のピカレスク小説。
「訣別」(狩 久):病気療養中の作家がこれまで発表してきた小説は、戦争で生き別れた探偵小説マニアの恋人に呼びかけたものでした。その甲斐あって、病床を恋人が訪れますが・・・。
「草原の果て」:終戦を目の前にしたロシア国境の村。粗末な農民の小屋で一夜を明かす日本軍士官と兵士たちは、それぞれに事情を抱え、苦悩していました。翌朝、密室で絞殺死体となって発見されたのは――。
「呪縛再現(挑戦篇)」(宇多川 蘭子):宇多川蘭子は、後篇を書いた中川透とともに鮎川哲也のペンネームです。
休暇を過ごすため、熊本県人吉市郊外の“緑風荘”へやって来た7人の学生。うち2組は婚約している間柄です。ところが、トランプに記された不吉な死の予告がなされ、婚約していた片方のカップルが相次いで変死を遂げる惨劇が発生。警察と一緒に現場に駆けつけたのは、名探偵として名高い星影竜三でした。この設定でぴんと来る人も多いと思いますが、実はこの小説、鮎川さんの代表作でもある「リラ荘殺人事件」の原型なのだそうです。
「呪縛再現(後篇)」(中川 透):「呪縛再現」の解決篇。星影竜三は鮮やかな推理で犯人の名を指摘しますが、当人には鉄壁のアリバイがあり、推理は行き詰まってしまいます。そこへふらりと現れたのは、筋金入りのアリバイ崩しの名人(あえて名は秘します)でした。
「圷家殺人事件」(天城 一):昭和16年の秋、圷子爵の屋敷で起きた連続射殺事件を、作者の実見談という体裁で描く長篇。日本有数の財閥でもある三河コンツェルンの政治顧問を務める貴族院議員・圷子爵の屋敷で、子爵が密室で射殺され、秘書で息子・信義の婚約者でもある津中ユリも胸を撃たれて瀕死の状態で発見されます。検事の伊多は助手の天城(語り手)を伴って現場へ駆けつけます。本庁の広警部、知性派刑事の島崎らと協力して捜査が始まり、怪しい行動をとる男爵・千手が捜査線上に浮かびますが・・・。

オススメ度:☆☆
「密室」傑作選―甦る推理雑誌〈5〉 (光文社文庫)

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