ホラー・ガイドブック ☆☆☆☆

(ホラー・ガイドブック / 尾之上 浩司:編 / 角川ホラー文庫 2003)

角川にはかなり恨みもあるのですが(笑)、角川ホラー文庫を創刊して維持し続けていることだけは高く評価しています。昔の“カドカワFシリーズ”では続々訳出されていた海外ファンタジーのシリーズをことごとく途中で打ち切られて、恨み骨髄(笑)でしたが、現在のホラー隆盛に角川ホラー文庫が大きく貢献しているのは間違いありません。少しくらい儲からなくなっても、打ち切らないでくださいね(^^;
さて、この「ホラー・ガイドブック」、昨年4月に読んだ(もうそんなに前なのか)、「ホラー小説大全」と似たようなタイトルですし、しかも同じ角川ホラー文庫。どう違うのかと思っていたら、ちゃんと序文で尾之上さんが説明してくださいました。「大全」はかなりアカデミックな話題も多かったのですが、こちらは「ガイドブック」というタイトルの通り、初心者にわかりやすく、具体的にホラーの歴史を解き明かすと同時に、お勧め(初心者向けの)の本や映画を紹介してくれます。
前半では日本のホラーをさらにジャンル分けして、「SFホラー」、「ミステリーホラー」、「怪獣小説」について、それぞれ造詣の深い専門家が解説し、また小説、映画、テレビ番組というメディア別でのホラー小史をわかりやすく紹介しています(マンガとゲームは紙数の関係で割愛されたそうです。残念)。日本のホラー小説については知識や情報にかなり抜けがあったので、とても役立ちました。
後半は海外ホラーがテーマ。年代別の代表的な作品を、やはり小説、映画、テレビ番組に分けて紹介しています。ここで思いましたが、「20世紀SF」と同じように「20世紀ホラー(+19世紀以前)」という年代別アンソロジーをどこかで出してくれないものでしょうか(笑)。
さらに、尾之上さんを司会に井上雅彦・飯野文彦・菊地秀行の3氏による対談、瀬名秀明さんへのインタビュー(初代アニメ「ドラえもん」の主題歌の歌詞は「すたこらさっさのドラえもん」じゃなくて「ほいきたさっさのドラえもん」ですよ、瀬名さん)など、密度の濃い企画が詰まっています。
最大の収穫は、子供時代に「日曜洋画劇場」の予告CMだけ見てひどく怖い思いをし、その後何年もトラウマになって暗いところへ行けなかった怪奇映画のタイトルが、幼心に記憶していた「ヒエラデコブレの幽霊」ではなく「シエラ・デ・コプレの幽霊」(スペイン系ですな)だったと判明したことでした。ホントに怖かったんだよぉ・・・。
海外ホラーについても、いくつも知らなかった情報が得られましたので、また古書店へ行く楽しみが増えました。

オススメ度:☆☆☆☆


ホラー・ガイドブック (角川ホラー文庫)
ホラー・ガイドブック (角川ホラー文庫)

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