テーマ:SF・日本

ぼくたちの創世記 ☆☆☆

(ぼくたちの創世記 / 田中 光二 / 角川文庫 1981) 作者の初期作品集。最初に出版されたのは1976年で、「スフィンクスを殺せ」の翌年です。「スフィンクス~」はディザスター小説ばかりでしたが、こちらはもっとバラエティに富んでおり、“昭和のSF”のテイストが色濃く漂っています。9作品が収録されています。 「ぼくたちの創…
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馬の首風雲録 ☆☆☆☆

(馬の首風雲録 / 筒井 康隆 / ハヤカワ文庫SF 1978) 筒井さんの初期作品で長篇第2作です(最初の刊行は1967年)。実は、本格的な筒井作品を読むのはこれが初めてなのですが、それにはしょーもない(笑)理由があります。十代の頃、日本人作家のSFはそれほど熱心に読んではいませんでしたが、それでも小松左京さん、豊田有恒さん、半…
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アルカイック・ステイツ ☆☆☆☆

(アルカイック・ステイツ / 大原 まり子 / ハヤカワ文庫JA 2000) コンパクトで、しかも壮大なワイドスクリーン・バロックです(解説によれば、ヴォークトの「武器製造業者」をイメージしているとか)。 舞台は28世紀。この時代、太陽系は3つの強大な勢力が拮抗し、微妙なバランスの上に力関係が成り立っていました。 一つは、人類…
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忍者惑星テラ2 ☆☆☆☆

(忍者惑星テラ2 / 矢野 徹 / ハヤカワ文庫JA 1992) 『連邦宇宙軍シリーズ』の第4巻です。これまで合作していた高橋敏也さんが本業(テクニカル・ライター)多忙となったため、この巻から矢野さんが単独で執筆しています。 第3巻「マーズ・ドラゴン」で、火星を根城にしていた臓器密売団を壊滅させ、火星にあったエリミネーターの…
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クー ☆☆☆

(クー / 竹本 健治 / ハルキ文庫 2000) 夢枕獏さんが書きそうな、バイオレンス・エロチック・アクションSFです。もっとも、竹本さん自身にも『パーミリオンのネコ』という、殺伐とした世界観がよく似たアクションSFシリーズがありますが(同シリーズの第1作「殺戮のための超・絶・技・巧」が発表されたのは本作の翌年)。 近未来…
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エリ・エリ ☆☆☆☆

(エリ・エリ / 平谷 美樹 / ハルキ文庫 2005) 『異形コレクション』収録の短篇は何作か読んでいますが、この人の長篇は初読みです。2000年に第1回小松左京賞を受賞した壮大なSFです。 21世紀半ば、「神はいない」という思想が人類の間に広がり、世界中の宗教では信者が急激に減っていました。東北の漁師町でカトリック教会の…
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半村良コレクション ☆☆☆☆

(半村良コレクション / 半村 良 / ハヤカワ文庫JA 1995) 買ったときは、他の作品集との重複があるのではないかと不安でしたが、これは貴重な作品集でした。なぜかというと、本書は、諸般の事情から文庫本(特にハヤカワ、角川)で出た様々な短篇集に収録されなかった中短篇を網羅した「半村良コレクション」(単行本では3分冊)のうち、人…
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ハイブリッド・チャイルド ☆☆☆☆

(ハイブリッド・チャイルド / 大原 まり子 / ハヤカワ文庫JA 1993) 作者自身も認める(「現時点で」という留保付きですが)代表作です。 プロローグを構成する(と言い切ることに若干のためらいはありますが)「ハイブリッド・チャイルド」、「告別のあいさつ」という短篇2作と、長篇「アクアプラネット」で構成されており、「ハイブリ…
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タナトス戦闘団 ☆☆☆☆

(タナトス戦闘団 / 谷 甲州 / ハヤカワ文庫JA 1996) 『航空宇宙軍史』の初期の事件を描いた長篇。時系列的には「カリスト―開戦前夜―」の直後の時代に当たります。 「カリスト―開戦前夜―」で詳細に語られているように、木星と土星の衛星を中心とする外惑星国家群は、内惑星国家からの独立を求め、開戦は不可避の状況となっていま…
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白き日旅立てば不死 ☆☆☆

(白き日旅立てば不死 / 荒巻 義雄 / ハヤカワ文庫JA 1976) 作者の第1長篇で、時間と空間に関する思索的・哲学的SFを書いていた初期の代表作です。 主人公・白樹直哉は一流大学を出て大手建設会社に勤める27歳の建築技師で、順風満帆の人生のように端からは思えましたが、衝動的に職を捨てて海外へあてのない旅に出てしまいます…
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ブラックホール惑星 ☆☆☆

(ブラックホール惑星 / 石原 藤夫 / ハヤカワ文庫JA 1979) 『惑星シリーズ』の第3作品集です。3篇が収録されていますが、これまでの2冊と異なり、「コーヒー・ブレイク」という幕間劇が3回挿入され、オムニバス長篇の形になっています。 「コーヒー・ブレイク」では、惑星開発コンサルタント社の月面本社で、ヒノとシオダの直属上司…
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ストラルドブラグ惑星 ☆☆☆

(ストラルドブラグ惑星 / 石原 藤夫 / ハヤカワ文庫JA 1975) 『惑星シリーズ』の第2作品集です。 第1作品集「ハイウェイ惑星」に続き、惑星開発コンサルタント社の若手調査員コンビ、行動派のヒノと理論派のシオダが、ユニークな惑星の数々を調査に赴き、奇妙奇天烈な自然現象や異性生物に遭遇します。また、ラストの2篇では、二人が…
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ハイウェイ惑星 ☆☆☆

(ハイウェイ惑星 / 石原 藤夫 / ハヤカワ文庫JA 1975) 作者の出世作となった短篇「ハイウェイ惑星」に始まる、『惑星シリーズ』の第1作品集。5作品が収められています。石原さんは当時、電気通信研究所に勤める工学博士で、いわゆる理系作家(石川喬司さんの解説によれば、「エンジニア作家」と呼ぶほうがしっくりくるようですが)です。…
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ヴァルプルギスの夜 ☆☆☆

(ヴァルプルギスの夜 / 荒巻 義雄 / 角川文庫 1981) 昭和50年代前半に発表された作品を集めた、比較的初期の作品集です。デビュー当時のマニアックな哲学的SFから脱皮し、一般受けする通俗SF(←別に貶めているわけではありません。通俗小説上等!)を模索していた時期に当たるようです。発表の場もSF専門誌から中間小説誌に変わった…
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マーズ・ドラゴン ☆☆☆

(マーズ・ドラゴン / 矢野 徹&高橋 敏也 / ハヤカワ文庫JA 1991) 『連邦宇宙軍シリーズ』の第3巻です。 第2巻「エリミネーター」の事件をなんとか切り抜けたシン・ムナカタ少尉が志願した転属先は、なんとゴドー中尉の命を奪い自分も抹殺しようとした張本人が潜む情報部でした。しかし、エリミネーターと連邦軍とのかかわりを暴…
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カンタン刑 ☆☆☆

(カンタン刑 / 式 貴士 / 角川文庫 1982) 作者の第1作品集です。作者や作品に関する詳細は、先に読んだ「イースター菌」の記事をご覧ください。 本書には、処女作とデビュー作(処女作=デビュー作でない事情は、作者の特徴である「長ぁ~いあとがき」をご覧ください(^^;)を含む9作品が収められています。 「ポロロッカ」:…
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灼熱のミラージュ ☆☆☆

(灼熱のミラージュ / 羅門 祐人 / ハヤカワ文庫JA 1993) 副題が「独立傭兵隊タリム7」とあるように、映画なら「特攻大作戦」、SFなら「コンラッド消耗部隊」など、ならず者や死刑囚を集めて特殊部隊を結成し、不可能としか思えない作戦を遂行させるというパターンの作品です。 舞台は21世紀後半の中国内陸部、タリム盆地――ヘ…
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日本沈没(上・下) ☆☆☆☆

(日本沈没 上・下 / 小松 左京 / 徳間文庫 1983) 本作が発表されたのは中学1年生のときでした。すぐにカッパ・ノベルス版を買い求めて読み、映画も見に行きました。元号も世紀も変わり、続編(第二部)も出たことですし、もう一度読み返してみようと思って、100円コーナーで(笑)入手したものです。読んだのは徳間文庫版ですが、現在で…
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総統兵団2003 秘島篇 ☆☆☆

(総統兵団2003 秘島篇 / 川又 千秋 / 中公文庫 1995) 伝奇SF『総統兵団』シリーズ三部作の第3部(最終巻)です。 第2部のラストで、富士の樹海上空に出現した次元雲を通じ21世紀の日本へ到来したナチス総統は、取り巻きと共にどこかへ立ち去っています。 その15年前、ナチの幹部最後の生き残りと言われたルドルフ・ヘ…
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エリミネーター ☆☆☆☆

(エリミネーター / 矢野 徹&高橋 敏也 / ハヤカワ文庫JA 1991) 『連邦宇宙軍シリーズ』の第2巻です。 第1巻「ネットワーク・ソルジャー」から時代を遡り、宇宙軍元帥ムナカタの少年時代から物語は始まります。 シン・ムナカタは火星に生まれ、マーズ・シティの高校に通っていましたが、成績も素行も悪く、いわゆる“落ちこぼ…
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ラクトバチルス・メデューサ ☆☆☆☆

(ラクトバチルス・メデューサ / 武森 斎市 / ハルキ文庫 2000) 作者のデビュー長篇――と言っても、第2作は出ていないようです。本業は開業医だそうですので、自分の知識を生かして余技として書いた作品なのかもしれません。 岐阜県白河町(岐阜県には「白川町」という町は実在していますが、「白河町」はありません)の幣原病院で、…
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星界の断章1 ☆☆☆

(星界の断章1 / 森岡 浩之 / ハヤカワ文庫JA 2005) 『星界シリーズ』(「星界の紋章」、「星界の戦旗」)の外伝にあたる作品集の第1巻です。アーヴの誕生や人類との決別から、レギュラーキャラクターたちに関する意外な(あるいは、もっともな(^^;)エピソードまで、12作品が収められています。同人レベル(←けなしているのではな…
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青ひげと鬼 ☆☆☆☆

(青ひげと鬼 / 小松 左京 / 角川文庫 1980) 先日の「氷の下の暗い顔」に続き、小松左京さんの作品集です。短篇8作品が収録されています。 「木静かならんと欲すれど……」:作者をモデルとしているらしい(笑)作家が、日常に飽き、1年間を家族と共に山の中の廃村の廃屋で暮らすことにします。最初は不便さに閉口しながらも、たくま…
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氷の下の暗い顔 ☆☆☆

(氷の下の暗い顔 / 小松 左京 / 角川文庫 1982) いかにも昭和のSFっぽい(←ホメ言葉です)、センス・オブ・ワンダーが横溢した作品集です。タイトル作の中篇「氷の下の暗い顔」を含む4作品が収められています。 「歩み去る」:“探しもの”をしながら世界を旅している初老の語り手は、各地(特に辺境)で、日本人をはじめとする様…
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星は、昴 ☆☆☆

(星は、昴 / 谷 甲州 / ハヤカワ文庫JA 1997) 80年代後半から90年代前半にかけて発表された、宇宙SFだけを集めた作品集です。 作者あとがきによれば、「どこかの惑星を舞台にストーリーが展開されるのは『惑星SF』であって、純粋な『宇宙SF』とは呼べない」のだそうで、本書には、そんな純粋『宇宙SF』が10篇、収められて…
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ネットワーク・ソルジャー(上・下) ☆☆☆☆

(ネットワーク・ソルジャー 上・下 / 矢野 徹&高橋 敏也 / ハヤカワ文庫JA 1990) 『連邦宇宙軍シリーズ』の第1巻です。 惑星テラ2は、『銀河辺境シリーズ』風に言えば、忘れられた植民惑星の一つでした。地球連邦による宇宙探索・拡張政策によって、多くの植民惑星が築かれたものの、その後に太陽系で勃発した惑星間戦争によっ…
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浮かぶ飛行島 ☆☆☆

(浮かぶ飛行島 / 海野 十三 / 少年倶楽部文庫 1975) 昭和13年の1年間にわたって、雑誌「少年倶楽部」に連載された空想科学軍事冒険小説です。タイトルからは、ジュール・ヴェルヌの「動く人工島」を連想しますが、舞台となる“人工島”の構造や発想が似ているだけで、ストーリー展開はまったく異なっています。あちらはヴェルヌの小説の基…
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総統兵団2002 樹海篇 ☆☆☆

(総統兵団2002 樹海篇 / 川又 千秋 / 中公文庫 1995) 伝奇SF『総統兵団』シリーズ三部作の第2部です。 第1部にあたる「虚空の総統兵団」(後に「総統兵団2001 虚空篇」に改稿・改題)を読んだのは、記録を見てみたら四半世紀前の1993年でした。それ以来の続きということになりますが、そこここで第1部の出来事を説明し…
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メンタル・フィメール ☆☆☆

(メンタル・フィメール / 大原 まり子 / ハヤカワ文庫JA 1991) 1980年代に書かれた短篇を集めた作品集。「初期の」と書こうと思ったのですが、1980年のデビュー以来、本書は作者15冊目の単行本ですから、80年代は精力的に活動していたわけですね。収録されている8作品は、直接の関係はありませんが、すべて“都市”と“女性”…
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有機戦士バイオム ☆☆☆

(有機戦士バイオム / 梶尾 真治 / ハヤカワ文庫JA 1989) 梶尾さんのショート・ショート作品集です。これまで短篇集はいくつも読んできましたが、ショート・ショート専門の作品集は、本書が初めてです。36篇が収められています。 「役立ち日記」:古本屋で買った日記帳は、書いたことが一字一句違わず実現する日記でした。つまり、…
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