テーマ:ミステリ・日本

百鬼徒然袋 雨 ☆☆☆☆

(百鬼徒然袋 雨 / 京極 夏彦 / 講談社文庫 2005) 『京極堂』シリーズの外伝とも言うべき作品集。破天荒私立探偵・榎木津礼二郎が主役(?)を務める中篇(それぞれ200ページを超える長さですので“短めの長篇”と言ってもいいのですが、京極さん作品の標準で行けば“中篇”でしょう(^^;)が3篇、収められています。 3篇とも、語…
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桜闇 ☆☆☆☆

(桜闇 / 篠田 真由美 / 講談社文庫 2005) 『建築探偵桜井京介の事件簿』の第7巻で、初の短篇集です。京介の他、レギュラーの蒼、栗山深雪、神代教授らが主人公(または語り手)を務める作品が10篇、収められています。収録作品は、シリーズ全体を貫く時間軸の様々な位置に該当しますが、巻末に年表がありますので、各長篇で描かれているエ…
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マリオネット園 ☆☆☆☆

(マリオネット園 / 霧舎 巧 / 講談社文庫 2005) 《あかずの扉》研究会シリーズの第4作。 本シリーズは、事件などのストーリーは各話で完結しているものの、共通した背景があり、レギュラー陣の人間関係は時系列を追って変化していきますので、シリーズ順に読むことをお勧めします。特に今回は、第1作「ドッペルゲンガー宮」と深い関係が…
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木乃伊男 ☆☆

(木乃伊男 / 蘇部 健一 / 講談社文庫 2005) 以前に同じ作者の「動かぬ証拠」というユニークな短篇集を読んでいますが、本作も同じくイラストレイテッド・ミステリとでもいうべき作品です。両作品とも創元のイラストレイテッドSFと異なり、掲載されているイラストが謎解きの大きなカギとなるというものですが、前者が短篇集なのに対し、本作…
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白蠟仮面 ☆☆

(白蠟仮面 / 横溝 正史 / 角川文庫 1981) ジュブナイル・ミステリ作品集。長篇「白蠟仮面」のほか、少女雑誌に発表された短篇2作品が収められています。 「白蠟仮面」:交通事故を起こしたトラックがダイヤ密輸団に関係があるのではないかと疑った探偵小僧こと御子柴進は、トラックを追って麻布の古びた洋館に入り込みますが、捕まっ…
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ヘーメラーの千里眼(上・下) ☆☆☆☆☆

(ヘーメラーの千里眼 上・下 / 松岡 圭祐 / 小学館文庫 2005) 『千里眼』シリーズの長篇第9作です。松岡さんの初期作品は、最初に入手した流れから、ずっと小学館文庫版を読んでいますが、現在は角川文庫から「クラシックシリーズ」として加筆修正された完全版が出ていますので、そちらを読むのが妥当でしょう(小学館文庫版は、現在では「…
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追跡 ☆☆☆

(追跡 / 高木 彬光 / 角川文庫 1979) 人権派弁護士・百谷泉一郎が活躍する社会派ミステリですが、本作は昭和20年代に札幌で実際に起きた警官射殺事件で、日本の裁判史上に残る冤罪事件と言われる「白鳥事件」を下敷きにしている異色篇です。実際の裁判結果に疑問と義憤を抑えられなかった作者が、小説の形で自分の見解を世に出したというこ…
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触身仏 ☆☆☆☆

(触身仏 / 北森 鴻 / 新潮文庫 2005) 「凶笑面」に続く民俗学ミステリー、『蓮丈那智フィールドファイル』の第2巻です。主役の蓮丈那智(男装の麗人が似合いそうな、異端の民俗学者)とワトスン役の助手・内藤三國につきましては、「凶笑面」の記事で紹介していますが、この巻では前巻では紹介されなかった二人の内面まで踏み込んだ描写があ…
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真説ルパン対ホームズ ☆☆☆☆

(真説ルパン対ホームズ / 芦辺 拓 / 創元推理文庫 2005) タイトル作品を始めとして、20世紀初頭から前半のミステリ黄金時代を彩る名探偵や名作へのパスティーシュ8篇を収めた作品集です。「名探偵博覧会1」という副題が付されています。 「真説ルパン対ホームズ」:ルパン・シリーズの作者ルブランは、「ルパン対ホームズ」の他、…
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空を飛ぶパラソル ☆☆☆

(空を飛ぶパラソル / 夢野 久作 / 角川文庫 1979) 「人間腸詰」に続く、角川文庫版夢野久作作品集。同じ古書市で手に入れたものです。初期から中期の作品が8篇、収録されています。 「空を飛ぶパラソル」:新聞ダネを探していた地方新聞の記者は、鉄道に飛び込もうとしている若い娘を見つけますが、止めようとせず、そのまま自殺させ…
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幽霊鉄仮面 ☆☆

(幽霊鉄仮面 / 横溝 正史 / 角川文庫 1981) “探偵小僧”こと御子柴進の初登場作で、作者のジュブナイル長篇としては最長のものです(後述のように、長さによる弊害も出ているようですが(^^;)。 都下の新聞に、日本の昔話をネタにして無気味な広告が出されます。「カチカチ山」や「舌切り雀」、「猿蟹合戦」などのクライマックス…
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人間腸詰 ☆☆

(人間腸詰 / 夢野 久作 / 角川文庫 1978) 昭和50年代に刊行された、角川文庫版夢野久作作品集の1冊。作者の最晩年、昭和9年~11年に書かれた作品が8篇、収められています。 作者の作品集としては、ちくま文庫から決定版ともいえる『夢野久作全集』が出ており、そちらを揃えているところですが(1巻と3巻が既読)、角川文庫版も米…
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ハイカラ右京探偵全集 ☆☆☆☆☆

(ハイカラ右京探偵全集 / 日影 丈吉 / 講談社大衆文学館 1996) 「ハイカラ右京」シリーズは、現代教養文庫版「ハイカラ右京探偵暦」を高校時代に読んでいます。本書は、教養文庫版13篇に、その後に発表された2篇「明治吸血鬼」、「狼男の恋」を加えて、全15篇を網羅した決定版です。 時は明治中期――主人公の右京慎策(本名かどうか…
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猿島館の殺人 ☆☆☆☆

(猿島館の殺人 / 折原 一 / 光文社文庫 1995) 「鬼面村の殺人」に続く、黒星警部とトラベルライターの葉山虹子が活躍――というより事件を引っ掻き回す、スラップスティック本格ミステリの第2弾です。 葉山虹子は、旅行雑誌の“東京近郊の隠れたデートスポット”という取材で、横須賀沖に位置する無人島・猿島に渡ります(猿島は実在…
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ミステリ・オペラ(上・下) ☆☆☆☆

(ミステリ・オペラ 上・下 / 山田 正紀 / ハヤカワ文庫JA 2005) 2002年の本格ミステリ大賞と日本推理作家協会賞を受賞した、文庫本上下で1200ページ近くになる大作ミステリです。平成元年の東京と昭和13年の満州にまたがって物語が錯綜する凝った構成のため、ストーリーを紹介するのも一苦労なのですが(笑)、できるだけ未読の…
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「白鳥」の殺人 ☆☆☆

(「白鳥」の殺人 / 折原 一 / 光文社文庫 1994) 「鬼面村の殺人」に続く光文社文庫版第2弾でしたので、こちらも黒星警部を主人公とするドタバタミステリかと思っていましたが、アリバイ崩しのシリアスな本格謎解きミステリでした。 親不知近くの信越本線で特急「白鳥」に飛び込もうとする青年と、「白鳥」の写真を取りに来た旅行雑誌…
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人形幻戯 ☆☆☆☆

(人形幻戯 / 西澤 保彦 / 講談社文庫 2005) 『チョーモンイン』シリーズの第3短篇集です。 短篇集ですので、どの作品でもレギュラー(準レギュラー含む)が全員集合するわけではなく、「超能力者問題秘密対策委員会」(略して『チョーモンイン』)の補導員・神麻嗣子と神余響子、ミステリ作家の保科匡緒、能解警部(美人の女性キャリア)…
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カウンセラー ☆☆☆☆

(カウンセラー / 松岡 圭祐 / 小学館文庫 2005) 臨床心理士・嵯峨敏也が主人公を務める『催眠』シリーズの第3作です。作者のデビュー作「催眠」で初登場し、時代を遡った「後催眠」でも主役を張った嵯峨は、その後は『千里眼』シリーズでも岬美由紀の協力者として活躍してきましたが、控えめで穏やかな性格のためか、他のキャラクターに比べ…
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競作 五十円玉二十枚の謎 ☆☆☆

(競作 五十円玉二十枚の謎 / 若竹 七海ほか / 創元推理文庫 2000) ミステリ作家、若竹七海さんが学生時代にアルバイトしていた書店で遭遇した奇妙な出来事に関して、事の真相を小説化したものを公募し、アマチュアから寄せられた優秀作品6篇に加え、プロのミステリ作家による7篇(?)の解答も収録されています。 「五十円玉二十枚…
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白仙境 ☆☆☆

(白仙境 / 牧 逸馬 / 現代教養文庫 1975) 「第七の天」に続く、作者の小説集第2巻。これで、「世界怪奇実話」全4巻と合わせ、現代教養文庫版の牧逸馬名義での作品集はコンプしたことになります。同じ作者の現代教養文庫版・谷譲次名義の作品集もすべて入手済みですので、いつか(笑)登場。 本書には、中篇「白仙境」をはじめ13作品が…
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能面の秘密 ☆☆☆

(能面の秘密 / 坂口 安吾 / 角川文庫 1976) 「不連続殺人事件」で日本の探偵小説史上に不朽の名を残している作者のミステリ作品集。主に昭和20年代後半、作者の晩年近くに書かれた短篇が8作品、収められています。既読の創元推理文庫版「日本探偵小説全集10 坂口安吾集」との重複は、2作だけでした。 「投手殺人事件」:プロ野…
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バグ ☆☆☆☆

(バグ / 松岡 圭祐 / 徳間文庫 2001) 松岡さんの長篇第2作。デビュー作「催眠」や第3作「千里眼」と異なり、シリーズ化はされていません。また、本作は最初「水の通う回路」というタイトルで出版され、徳間文庫に収められる際に(本書)加筆され、「バグ」と改題されました。さらに、決定版として「バリア・セグメント 水の通う回路 完全…
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恐怖王 ☆☆

(恐怖王 / 江戸川 乱歩 / 春陽文庫 1995) 春陽文庫から単発で出た乱歩の作品集。中短篇3作品が収録されていますが、すべて角川文庫版で既読でした(「恐怖王」と「盗難」は「白髪鬼」、「地獄風景」は「緑衣の鬼」に収録されています)。 紹介記事は、上記のものを転載(一部加筆修正)します。 「恐怖王」:乱歩自身が「失敗…
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怪人二十面相 ☆☆☆

(怪人二十面相 / 江戸川 乱歩 / 少年倶楽部文庫 1975) 名探偵・明智小五郎と助手の小林少年が、世紀の大怪盗・怪人二十面相と対決するジュブナイル・ミステリです(雑誌「少年倶楽部」に昭和11年に連載されました)。 麻布に大邸宅を構える実業家、羽柴壮太郎の屋敷では、二つの事件が進行しようとしていました。羽柴家の長男、壮一…
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乱れからくり ☆☆☆☆

(乱れからくり / 泡坂 妻夫 / 創元推理文庫 2000) 1978年の日本推理作家協会賞を受賞した、作者の代表作の一つです。 プロボクサーを目指して挫折した勝敏夫は、求人広告を見て、宇内経済研究会に就職しますが、そこは社長の宇内舞子ひとりだけの調査会社(私立探偵事務所に毛が生えたようなもの)でした(敏夫が入社して、社員数…
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幻想運河 ☆☆☆

(幻想運河 / 有栖川 有栖 / 講談社文庫 2001) 江上先輩も火村教授もアリスも登場しない、ノン・シリーズの単発ミステリです。 大阪の運河で女性のバラバラ死体が発見され、その犯人と思われる青年が警官に逮捕されるプロローグから、いきなり舞台はオランダの首都アムステルダムに飛びます。 放浪の旅人だった山尾恭司は、パリから…
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イリュージョン:マジシャン第2幕 ☆☆☆☆

(イリュージョン:マジシャン第2幕 / 松岡 圭祐 / 小学館文庫 2004) 「マジシャン」の続編です。 「マジシャン」の事件から2年後、警視庁の桝城警部補は、天才的なマジックの才能を持つ里見沙希の助けを求めるため、沙希がアルバイトをしている湘南のハンバーガーショップを訪れます。しかし、ドレスデンで開催されたマジックの世界…
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鬼面村の殺人 ☆☆☆

(鬼面村の殺人 / 折原 一 / 光文社文庫 2003) 「七つの棺」で、迷探偵ぶりを遺憾なく発揮した黒星警部の長篇初登場作。発表時のタイトル「鬼が来たりてホラを吹く」(当然、某横溝作品のタイトルのパロディ)からも、探偵役のキャラクターからも想像がつくように、ジャンルはいわゆる“バカミス”ですが、大がかりなトリックも取り入れられて…
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展望塔の殺人 ☆☆☆

(展望塔の殺人 / 島田 荘司 / 光文社文庫 1999) 表紙には『吉敷竹史シリーズ』の第7巻と銘打たれていますが、正確には“吉敷竹史ものを含む作品集”で、収録されている6作品中、吉敷竹史が登場するのは2作のみです。 「緑色の死」:子供のころから緑色恐怖症で、野菜も食べられず、植物のある環境では暮らせなくなってしまった被多…
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Yの構図 ☆☆☆☆

(Yの構図 / 島田 荘司 / 光文社文庫 2000) 『吉敷竹史シリーズ』の第6巻です。 昭和61年8月の夜、上野駅に到着した新潟新幹線「とき」のグリーン車内で、自殺と思われる水商売風の中年女性の遺体が発見されます。そればかりか、おぼ同じ時刻に向かい側のホームに到着した東北新幹線「やまびこ」のグリーン車内でも、初老の男性が…
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