法典分子大感染 ☆☆☆

(法典分子大感染 / ペーター・グリーゼ&アルント・エルマー / ハヤカワ文庫SF 2021)

『ペリー・ローダン・シリーズ』の第638巻です。エスタルトゥの力の集合体を舞台に、ヴィーロ航宙士たちの行動が描かれます。

「ゴリム・ステーションの謎」(ペーター・グリーゼ):ヴィーロ船“エクスプローラー”のレジナルド・ブル、“ラヴリー・ボシック”のロワ・ダントンらの介入で、セポル星系の惑星ナガトからの脱出に成功した“ラサト”のロナルド・テケナーは、行方不明のツナミ艦の消息を求めて、シャバレ人の自由掠奪者ロンガスクがもたらした情報を元に、シオン・ソム銀河へ向かいます。そこには、ゴリム(エスタルトゥ12銀河の住人ではない存在を指し、「異人」という意味)が残したと思われる宇宙基地が存在しているということでした。ただし、ロンガスクはツナミ艦のことをほのめかしただけで、実際のところは知りません。少なくともロンガスクにとっては、ゴリム基地は宝の山のはずでした。
一方、“エクスプローラー”のブルと“アスクレピオス”のイルミナ・コチストワは、惑星ナガトで勇者ヴォルカイルの元から帰還した4人のハンザスペシャリストがもたらした情報に基づき、シオン・ソム銀河の東側、謎の“生命のゲーム”が行われるという惑星マルダカアンを目指し、ダントンの“ラヴリー・ボシック”は、同じ銀河の中枢部、“紋章の門”に向かっています。
本当はでたらめを言っているのではないか(実際、その通りなのですが)とテケナーやジェニファー・ティロンに疑われたロンガスクは、必死にごまかしながら(墓穴を掘りながら(^^;)、どうにかゴリム基地があるはずの惑星シャッディンがあるアカバール星系に似た白色矮星に"ラサト"を導きます。自分の宇宙船"キャントレリイ"でアンティの少女パスと共に惑星へ向かったロンガスクは、未知の攻撃を受けると同時に、同じシャバレ人の女性チェルブからの呼びかけを聞きます。同族の女性がいるという事実にめろめろに(笑)なったロンガスクは、なんとか着陸すると共に、ゴリムの基地らしい建物まで発見します。チェルブとめぐり会ったロンガスクは、ゴリム基地を支配して近づく者すべてを攻撃しているのはレイモネンという未知のヒューマノイドだと知らされます。そこに、"ラサト"とエルファード人の宇宙船までが現れます。テケナーはパーミットを使ってエルファード人を屈服させますが、同じ頃、レイモネンに接近したロンガスクは、狂ったレイモネンの精神に吸い込まれていました(一種の"コンセプト"状態ですね)。テケナーと対面したレイモネンは、キトマの同族だと見抜かれ、理性を取り戻しますが、自分の運命を悲観して死を選びます。しかし、彼の口から"クエリオン"や"ドリフェル"といった、今後の展開のキーワードとなりそうな言葉(「ローダン・ハンドブック2」の小百科に載っています)が漏れていました。

「法典分子大感染」(アルント・エルマー):“エクスプローラー”に随伴して惑星マルダカアンへ向かっている“アスクレピオス”の船内では、イルミナ・コチストワが、いわゆる“法典分子”(吸い込むと、永遠の戦士のメンタリティに精神を乗っ取られてしまう)に対抗するワクチンの開発に取り組んでいました。キドの能力を助けに、法典分子の禁断症状に苦しんでいる4人のハンザ・スペシャリストに対処していたイルミナですが、4人の体内で法典分子が異常増殖していることに気付きます。開発したワクチンは効果を発揮せず、4人から吐き出された法典分子は、次第に“アスクレピオス”船内を汚染していきます。
感染拡大を防ぐために隔離措置を実施したのも束の間、やはり法典分子に汚染されたキドが抜け出して“エクスプローラー”船内に入り込んでしまいます(キドの脳内には別の意識が宿っていました)。さらに4人のハンザ・スペシャリストも暴れ出してイルミナの手に負えなくなり、“アスクレピオス”を脱出して、キドと同じく“エクスプローラー”へ侵入してしまいます。
一方、ブルは、周辺の各銀河へ散っていたセグメントの帰還を迎えるべく、コネクションと名付けた星系へ向かいますが、自身も法典分子の禁断症状と思われる頭痛に悩まされていました。頭痛の種はそれだけでなく、3人のヴィーロ航宙士が奇妙な行動に出て、まともな(?)乗員たちを悩ませています。“エクスプローラー”に潜伏したキドは、脳内の別の存在クラルシュと会話を交わし、クラルシュがヤニチャ・ヤンという銀河(実はカピンの故郷であるグルエルフィン銀河)で大切な存在ソトを失ったことを聞き出します。そして、自分の真の姿を取り戻したキドは、イルミナの元へ帰還し、クラルシュからヒントを得たイルミナは、新たな対法典分子ワクチンの開発に没頭します。イルミナの作業はかろうじて間に合い、法典分子は無力化されるのでした。

オススメ度:☆☆☆


法典分子大感染 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-638 宇宙英雄ローダン・シリーズ 638) - ペーター・グリーゼ, アルント・エルマー, 増田 久美子
法典分子大感染 (ハヤカワ文庫 SF ロ 1-638 宇宙英雄ローダン・シリーズ 638) - ペーター・グリーゼ, アルント・エルマー, 増田 久美子

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