アトランティス滅亡 ☆☆☆☆

(アトランティス滅亡 / クリスチャン・モンティロン / ハヤカワ文庫SF 2020)

『ローダンNEO』の第3シリーズの第7巻で、タイトルからおわかりの通り、正伝の第70話(日本語版35巻の後半)「アトランティス最後の日」と対応するものです。もっとも、こちらではドルーフ時間平面の影響ではなく、メタンズの攻撃を受けて壊滅するわけですが。物語は前々巻「ワールドスプリッター」の直接の続きとなります。

惑星ケドハッサン(本当はイルトの故郷である惑星トラムプ)での冒険を終えたクレスト、女性ミュータントのタチアナ、トプシダーの賢者トルケル=ホンは、破壊されたアルコン戦艦"ペスカー"の搭載艇で惑星を離れますが、メタンズの艦隊の砲撃を受け、大破してしまいます。あわやというところで、アルコン戦艦"エクテム"に救われます。"エクテム"の女性艦長デマイラは輸送艦隊を護衛しつつ、ある密命を帯びてラルサフIII(つまり地球)へ向かっているところでした。捕虜とも船客ともつかない立場で艦内に軟禁された3人は、時空を超えた自分たちの旅の出発点であるテラ(ただし、1万年前の)へ、否応なしに連れ戻されることになります。
一方、当時の地球の海辺に住む予知能力を持った女性ディーラは、難産に苦しみ母子ともに犠牲となるところを、不思議な力を持った魔法使い(?)の男性に救われます。魔法使いは、アルコン植民地アトランティスの執政官ケムロルでした。彼は、総督アトラン(ついに出た!)に黙認されて、現地人と接触するなという禁を破って、ディーラと赤ん坊の命を救ったのでした。数年後、ディーラと兄弟たちは、敵対する蛮族の襲撃を受け、散り散りになって逃げようとしているところを、再びケムロルに救われます。生体マスクにより外見がまったく変わっていたケムロルですが、ディーラは本能的に相手が以前自分を救ってくれたのと同一人物だと気付いていました。神々の世界(アトランティスは、地球人のディーラにとって、文字通り神々の住む場所でした)に憧れるディーラを拒めないケムロルは、さらに禁を破って彼女を自宅へ導き入れます。しかし、その姿は副官に目撃されていました。
同じ頃、アルコン戦艦"トソマ"を指揮するベテラン軍人タルツ(水晶王子アトランの親代わりでもあり、正伝にも登場しましたね)は、メタンズの偵察艇を感知し、好戦派の若き将校クノルの進言で攻撃・撃破することに成功しますが、結果的にメタンズの注意をラルサフ星系(太陽系)に引き付けることになってしまいます。
やがて、戦艦"エクテム"と輸送艦隊は地球へ到着します。タルツはクレストらを救出するために"寄り道”したことでデマイラを叱責し、3人がメタンズのスパイかもしれないという疑いを隠しません。自ら尋問に当たったタルツに対し、タチアナは相手の心を読んで見つけた、タルツが知られたくない秘密を証拠として、3人が未来からやってきたことを納得させようとします。そしてクレストは、信じようとしないタルツに対して、辺境のラルサフ星系が重要視されているのは、不死の秘密が隠されているのではないかと指摘します。たしかにタルツ自身、辺境の取るに足りない星系に、皇帝の息子である重要人物のアトランが派遣されたのか、不思議に思っていました。
しかし、メタンズの大艦隊が迫り、アトランティスは総督アトランが不在の中(もちろん、アトランは正伝と同様、“それ”の呼びかけを受けて対メタンズ戦向けの新兵器の設計図と細胞活性装置を受け取りに行っていたわけです)、滅亡の危機に瀕します。タルツが率いるアルコン艦隊が敵を牽制する間、デマイラはアトランティスの植民者たちを輸送艦隊に乗せる避難作戦を指揮します。
混乱の中、ケムロルは執政官の地位を犠牲にして、ディーラを輸送艦へ乗り込ませようとしますが、ディーラは神々の国へ行くことを拒否します(神々の世界も、地上と同じく戦いと憎しみに満ちていることを悟ったためでした)。そしてケムロルもディーラと一緒に残る決意を固めます。一方、“エクテム”艦内にいたクレストらは、最初にアゾレス海底基地の転送機を使って姿を消したアエトロンの乗員クイニウ・ソプトールと出会います。なかば狂気に陥っていたソプトールと共に、一行は唯一の脱出ロと思われる海底基地へ向かい、リコの助けを得て転送機に足を踏み入れます。
そして、コンヴァーター砲の設計図と細胞活性装置を持って帰還したアトランは、廃墟となったアトランティスで、唯一の生き残りクノルと出会い、リコに導かれて海底基地に姿を消すのでした。

オススメ度:☆☆☆☆


アトランティス滅亡 (ハヤカワ文庫SF) - Montillon,Christian, モンティロン,クリスチャン, 良江, 鵜田
アトランティス滅亡 (ハヤカワ文庫SF) - Montillon,Christian, モンティロン,クリスチャン, 良江, 鵜田

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