オズのチクタク ☆☆☆

(オズのチクタク / ライマン・フランク・ボーム / ハヤカワ文庫NV 1986)

『オズ』シリーズの第8作です。タイトルを見ると、オズ唯一のゼンマイ仕掛けのロボット、チクタクが主役と思えますが、それほど主役を張っている感じでもありません(役柄は“一兵卒”ですし(^^;)。

オズの国の東の辺境には、人口数十人のウーガブーという王国がありました。女王(厳密に言えば女王代理)のアン・アレヤコレヤは、田舎の退屈な日常に飽きて、エメラルドの都を征服してやろう(笑)と考えます。そこでアンは、総員18名の村の男のうち17人を従えエメラルドの都へ進軍することにします。内訳は将軍と士官が16人で、兵卒が一人――この一人だけの兵卒、ヤスリのジョーは、たくさんの本を読んでおり、たいていの物語でヒーローになるのは将軍ではなく下級の一兵卒だと知っていたため、自ら志願して一兵卒になっています。おまけに、銃器の扱いや戦略を立てるのも得意で(すべて本から得た知識ですが)、やがてアンの支持を得て軍全体を実質的に取りまとめるようになります(命令を下すのは将軍ですが、その内容を指示するのはヤスリのジョーです(^^;)。
アンがエメラルドの都を侵略しようとしていることは、よい魔女グリンダはお見通しでした。そこでグリンダはウーガブー軍が進んでいる道を繋ぎ換え、一行が迷子になるように仕向けます。アン女王以下のウーガブー軍は、あてもなく進め続けるしかありませんでした。
一方、アメリカ人の少女ベッツイ・ボビンは、乗っていた船が難破して、ロバのハンクと共に漂流した挙句、オズの西の国境に近い海岸に流れ着きます。バラ王国に迷い込んだベッツイとハンクは、行方不明になった弟を探して旅していたモジャボロと出会います。鉱夫だった弟が、地下に迷い込んでノームに捕まったのではないかと、モジャボロは考えていました。バラの王女を仲間に加えて4人(?)となった一行は、ノームの王ラゲドー(「オズのエメラルドの都」でロークワットと名乗っていた王と同一人物です。いったんは忘却の泉の水を飲んですべての記憶を失ったのですが、その邪悪な本性は変わっていないようです)の地下王国に通じる洞窟を探す旅に出ます。そこへ、またも(笑)虹が消えて地上に取り残されてしまった虹の妖精ポリクローム(「オズへつづく道」以来の登場ですね)と、空井戸に落ちて動けなくなっていたチクタクが加わります。どの方向へ向かえばいいか相談しているところへ現れたのは、へろへろになった(笑)ウーガブー軍でした。アン女王の命令でモジャボロたちを捕虜にしようとした軍は、ハンクの蹴りをくらって四散し、いちばん頼りになるヤスリのジョーは、バラの王女にめろめろになって(笑)、除隊してしまう始末。結局、チクタクを新たな兵卒として徴用したウーガブー軍は、モジャボロの説得で、ノーム王国を征服(笑)するために、同行することになります。
潜望鏡を覗いて、モジャボロやウーガブー軍が近づいてくるのを知ったラゲドーは、底なしの"地中トンネル"に一行を落としてしまうことにします。そんなことをしたら、"地中トンネル"の向こうに住む偉大なチチチ―フーチューの怒りを買うことになるのに――。巧みに隠された"地中トンネル"に落ちてしまった一行は、真っ暗なトンネルを永遠に落ち続けるような気分を味わった末、"妖精たちの国"に降り立ちます。ここの支配者は、妖精ではない唯一の存在、"ふつうの市民"であり“偉大なるジンジン”として敬われ、畏れられているチチチ―フーチューでした。ベッツイらは、それぞれ妖精たちのもてなしを受け、疲れを癒しますが、チチチ―フーチューの命令によって、地上に戻されることになります。一行の護衛として、またノーム王を懲らしめる使者として選ばれたのは、最も若いドラゴンのクオックス(「ドルアーガの塔」のフロア20で最初に出会うドラゴンも、クオックスでしたね【2021/3/8修正:FC版の攻略本で確認したところ、クオックスが初登場するのはフロア15でした。失礼いたしました(^^;】)でした。
しかし、ラゲドーは、敵が自分たちが苦手とするタマゴを用意していないことを知ると、策略を巡らせて、クオックスが丘の上で昼寝をしているうちに、モジャボロやベッツイ、ウーガブー軍を分断し、それぞれを捕虜にしようとします。しかし、ノーム王の執事、良識派のカリコの介入で失敗に終わり、ポリクロームに起こされたクオックスが、チチチ―フーチューの命令を執行してラゲドーの魔法の力を奪ってしまいます。すべてを失ったノーム王ラゲドーは、這う這うの体で地上へ逃れ、王位を継いだカリコは、モジャボロの問いに答えて、モジャボロの弟と思われる通称“醜い男”が“金属の森”で孤独に暮らしていることを告げます・
モジャボロの弟は、元々はイケメン(笑)でしたが、ノームに捕まった際に、ラゲドーの魔法で最も醜い男に変えられてしまっており、兄モジャボロがいくら説得しても小屋から出て来ようとしません。その時、逃走資金(笑)にしようとして宝石を拾いに戻ってきたラゲドーがウーガブー軍に捕えられ、“醜い男”の魔法を解く方法を明かします。
そして、征服に飽きたアン女王とウーガブー軍は故郷へ帰り、ベッツイやハンク、モジャボロの弟は、オズマ姫とドロシーの計らいで、無事にオズの市民として受け入れられるのでした。

オススメ度:☆☆☆


オズのチクタク (ハヤカワ文庫 NV 241) - ライマン・フランク・ボーム, 新井 苑子, Lyman Frank Baum, 佐藤 高子
オズのチクタク (ハヤカワ文庫 NV 241) - ライマン・フランク・ボーム, 新井 苑子, Lyman Frank Baum, 佐藤 高子

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