スワン・ソング ☆☆☆

(スワン・ソング / ブライアン・M・ステイブルフォード / サンリオSF文庫 1982)

『宇宙飛行士グレンジャーの冒険』の第6巻で、シリーズの完結篇です。

前作「フェンリス・デストロイヤー」で、因縁の相手シャーロットへの借りを返し、“かんむり白鳥”号のクルーたちと別れたグレンジャーは、自由の身にはなったものの、老朽宇宙船“砂男”のパイロットとして辺境星域でくすぶっていました。そんなグレンジャーに、シャーロットの最大のライバル会社カラドック社(第1巻「ハルシオン・ローレライ」では、グレンジャーも同社を痛い目に遭わせています)のエージェント、ソーリャが接触してきます。過去のことは水に流し、協力してほしいというのですが、言い換えれば、グレンジャーの記憶をいじって、彼の頭の中にあるシャーロット関連の情報をすべて吸い上げようという提案でした。当然グレンジャーは拒否しますが、ソーリャは実力行使に出て、グレンジャーと、一緒に"砂男"から逃亡したベテラン(ロートルとも言う)機関士サムは地元警察に捕らえられてしまいます。そこに介入してきたのは、惑星ニュー・アレキサンドリア警察の警部デントンでした。シャーロットの配下でもあるデントンは、第3巻「プロミスト・ランド」でグレンジャーが犯した少女誘拐罪(実際は違うのですが)の正式な逮捕状を示して、グレンジャーをカラドック社の罠から救い、同行を申し出たサムと共にニュー・アレキサンドリアに連行します。
ニュー・アレキサンドリアでの裁判で、予想通りグレンジャーは無罪放免となります。そこへやって来たのは、"かんむり白鳥"号の若手機関士ジョニーでした。ジョニーは、"かんむり白鳥"号の姉妹艦"妹白鳥"号が、異宇宙へ通じていると言われるナイチンゲール星雲へ進入し、消息を絶ったという報せを伝えます。グレンジャーのなじみのクルーたち――船長のニック・デルアルコ、パイロットのイーヴ、機関士ロスガーは、絶望と見られていました。しかし、シャーロットは、できるものなら"かんむり白鳥"号で姉妹艦を捜索・救出しようと考えており、パイロットとして"かんむり白鳥"号を操れるのはグレンジャーしかいませんでした。いったんは拒否したグレンジャーですが、精神寄生体"風"と話し合った結果、任務を引き受ける決意をします。
シャーロットと面会したグレンジャーは、ジョニーの代わりにサムを機関士として同行させると決め、他の初対面のクルーとも顔を合わせます。しかし、出発の前夜、グレンジャーはサムだけを同乗させて、"かんむり白鳥"号を発進させてしまいます。サムは、グレンジャーが"かんむり白鳥"号を乗っ取って、どこかへ逃亡するのだと考えていましたが、グレンジャーがまっすぐ向かったのはナイチンゲール星雲の中心部でした。精神も肉体もバラバラにされるような異宇宙の洗礼をなんとか切り抜けたグレンジャーは、"かんむり白鳥"号を安定させますが、女性新人クルーのミナが船室で眠っていたのに気付かなかったため、彼女も異宇宙を体験することとなってしまっていました。
"風"と一緒に異宇宙空間を観察していたグレンジャーは、"妹白鳥"号と思われる物体を発見します。接近して乗り移ったグランジャーは、機関室で死亡しているロスガー、パイロット席で昏睡状態のイーヴ、意識を保って生き残っていたデルアルコを発見します。デルアルコとイーヴを"かんむり白鳥"号へ運び込んだグレンジャーは、最も生還の可能性が高い役割分担で"かんむり白鳥"号を作動させようとします。それに伴って、おのれの消滅を覚悟した"風"は初めて自分の出自と半生をグレンジャーに明かすのでした。

オススメ度:☆☆☆


スワン・ソング―宇宙飛行士グレンジャーの冒険 (1982年) (サンリオSF文庫) - ブライアン・M.ステイブルフォード, 菊地 秀行
スワン・ソング―宇宙飛行士グレンジャーの冒険 (1982年) (サンリオSF文庫) - ブライアン・M.ステイブルフォード, 菊地 秀行

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