超能力の秘密 ☆

(超能力の秘密 / ゲルハルト・R・シュタインホイザー / 角川文庫 1978)

1970年代、角川文庫から出ていた「超自然の謎」シリーズの1冊。デニケンと同じドイツ人著者による、デニケンと同じ“古代宇宙飛行士説”テーマのバリエーションです(副題――というより原題が「神々への回帰」というのも、さもありなんという感じですね)。原書が発表されたのもデニケンの「未来の記憶」の3年後なので、デニケンに触発されたのか、ブームに乗って二匹目のドジョウを狙ったのか、そういう事情だったのかもしれません。
「古代に飛来した異人が、原始時代の人類に超科学をもたらした」という主張は同じですが、デニケンが世界中の神話・伝説、古代遺物やオーパーツを大量に例示して、実証主義的(?)に持論を展開するのに対し、シュタインホイザーは超次元に関する疑似科学理論を駆使して、科学的(?)な論証とスピリチュアルな思想とを統合した理論を構築しています(高次元へ向けた精神の進化やチャネリングなど、現在のスピリチュアル本と共通する思想も感じられます)。
時おり人間が示す超能力(テレパシー、テレキネシス、未来予知、透視など)は、五次元、六次元といった高次元のエネルギーの具現化である、として、アインシュタインやガウス、リーマンといった高名な科学者の名前を引用しながら、図解などを含めて理論を展開するため、なんとなく説得力があるように見えます。でも、107ページに記された「太陽に最も近い恒星は、牡牛座のアルファ・ケンタウリ」(アルファ・ケンタウリとは「ケンタウルス座アルファ星」という意味ですが(^^;)と「次に近い恒星は何千光年も、何百万光年も離れている」(ツッコミを入れる気にもなれません(^^;)という説明を読んだだけで、著者の科学知識は「お里が知れる」というものです(天文学に疎いのだとしても、少し調べればわかるでしょうに)。
途中で論旨がころころ変わり、「古代に人類に知識と技術をもたらした神々」が、高次元人だったり異星人だったり、未来から来た人類だったり(「神々の正体は未来人」というテーマの本は、日本のトンデモさんも書いていましたね)、その場その場で都合のいい正体が採用されているようです。また、循環論法を多用しているのも、この手の本としてありがちな傾向です(自説の根拠として、具体的な事象を実例として挙げているのですが、その事象が信頼できる理由は「自説でしか説明できないから」だそうで)し、自説が正しい理由として「そう解釈するのが最も妥当だから」「そうとしか解釈できないから」というチャーチワードのパターンも健在(笑)です。
先に記したように、具体的な物証よりも疑似科学論理に基づいて書かれているため、デニケンに比べてもトンデモ本としても面白みに欠けます。英語が苦手なのか、引用したり参考文献として挙げているのがドイツ人やソ連人の著書ばかりというのも、英語圏で知られていない(日本でもデニケンのようにメジャーになれなかった)理由かもしれません。
訳者あとがきに「本書は一読する価値があると思う」と書かれていますが、一読する価値はまったくない、と断言できます(^^

オススメ度:☆


超能力の秘密 神々への回帰 - ゲルハルト・R・シュタインホイザー, 金森誠也訳
超能力の秘密 神々への回帰 - ゲルハルト・R・シュタインホイザー, 金森誠也訳

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