惑星チョルト奪還作戦 ☆☆☆

(惑星チョルト奪還作戦 / トーマス・ツィーグラー&クルト・マール / ハヤカワ文庫SF 2020)

『ペリー・ローダン・シリーズ』の第616巻です。いかにもスぺース・オペラらしいワクワクするようなタイトルですが、この「惑星XX○○作戦」というのは、意外にも本シリーズでは“ポスビ・サイクル”初期の「惑星サオス包囲作戦」(第58巻の前半)しか使われておらず、今回が2度目でした(^^ 前巻後半の直接の続きで、銀河イーストサイドに出現した"冷気の群れ"との戦いが続きます。

「炎熱バリア作戦」(トーマス・ツィーグラー):エレメントの支配者は、銀河イーストサイドがクロノフォシルとなるのを阻止すべく、冷気エレメントに捕らえられてマイナス宇宙へ連れ去られた銀河の住人たちを、"冷気の群れ"として送り込んできました。彼らは元々はアルコン人、アコン人、スプリンガー、ブルー族、トプシダー、エルトルス人などGAVOKを構成するメンバーでしたが、マイナス宇宙の影響を受けて零下数百度という体温となり(マイナス宇宙には絶対零度がこちらの宇宙とは異なります)、こちらの宇宙の温度は苦痛でしかありません。狂乱した冷気生物たちは、熱をもたらす恒星や、この宇宙の生物を滅ぼすしか生き残る道はないと思い込んでいます。実際、ローダンも冷気生物に占領された惑星ツュリュトで、そのことは身をもって知っていました。冷気生物は、マイナス宇宙から転移してきた暗黒惑星チョルトを拠点に、ブルー族の本拠であるフェルト星系を壊滅させようとしているようで、ブルー族司令官はフェルトを守るため、全面戦争も辞さない構えでいます。
しかし、ローダンは、あくまで冷気生物は十戒の被害者だという立場を取り、なんとか意思疎通を図って事態を打開しようと考えていました。そのキーマンは、冷気生物で唯一、過去の記憶を保持している元エルトルス人のトルムセン・ヴァリーでした。ヴァリーを説得して協力を取り付ければ、冷気生物との間に平和な関係を打ち立てることも不可能ではないはずでした。サイコフロストから生還したジャーナリストのメイセンハートは、タウレクに進言してローダンを説得し、研究のため冷気生物を一体拉致する作戦を実行に移します。ターゲットは、自分のクルーが乗り組んでいた取材用テンダー"キッシュ"で、ヴァリーもそこに乗っているはずでした。しかし、タウレクとヴィシュナと共に"シゼル"で"キッシュ"に向かったメイセンハートには、別の目論見がありました。"キッシュ"内に残って自ら冷気生物となり(24時間以内に救出されれば元に戻ることができます)、冷気生物の目から事態をレポートしようとしていたのです。タウレクとヴィシュナはヴァリーを拉致することに成功しますが、メイセンハートは目論見通り"キッシュ"に残ることとなります。
ブルー族は、冷気生物の先遣艦隊の進路を阻むため、無数の爆弾を破裂させて炎の壁を作る"炎熱バリア作戦"を実行に移しますが、ローダンの説得を受けて艦隊を直接攻撃することは自重しています。一方、リーダーであるヴァリーを失った冷気艦隊の動きは鈍っていました。メイセンハートは"キッシュ"ごと生還し、彼が集めたデータは冷気生物に関する貴重な資料となります。

「惑星チョルト奪還作戦」(クルト・マール):冷気艦隊の動きが鈍ったことを察知したエレメントの支配者は、カッツェンカットに直接介入することを命じます。カッツェンカットは集められる限りの空間エレメント、精神エレメント、戦争エレメント、超越エレメントらを銀河イーストサイドへ送り込み、自らも超宇宙船"理性の優位"で銀河イーストサイドへ赴きます。行方不明になったヴァリーの代わりに仮面エレメントのシュテルプを偽ヴァリーに仕立て上げ、冷気艦隊と惑星チョルトをフェルト星系へ向かわせようとします。
ヴァリーに対するタウレクの実験によって、恒星のない銀河間空間ならば冷気生物が安定することを知ったローダンは、ヴァリーを引き渡す条件として冷気艦隊が銀河間空間へ移動する要請を出していました。しかし、偽ヴァリーがチュルトに出現したため、その計画は頓挫してしまいます。また、空間エレメントの大群がチョルトの前衛に就いたことも判明し、ローダンは本物のヴァリーをチョルトへ送り込んで偽者の正体を暴こうと考えます。こうしてヴァリーは、タウレクとヴィシュナ、ワリンジャーとエラートと共に惑星チョルトに潜入します。一方ローダンは、ブルー族の要請に応じて自らフェルト星系の惑星ガタスに赴きます。
ヴァリーはエラートらの協力で、戦争エレメントの影響を受けていた腹心を救出し、冷気生物たちに呼びかけます。進退窮まった偽ヴァリーのシュテルプはカッツェンカットに指示を仰ぎますが、カッツェンカット自身、テラナーが新兵器の実験をしているらしい情報を得ており、それどころではありません。その実験とは、ワリンジャー・チームの有能で美人のハイパー物理学者イリングが行っていた、物体を並行宇宙へ送り込むものでした・・・。

オススメ度:☆☆☆


惑星チョルト奪還作戦 (宇宙英雄ローダン・シリーズ616) - トーマス・ツィーグラー, クルト・マール, 嶋田 洋一
惑星チョルト奪還作戦 (宇宙英雄ローダン・シリーズ616) - トーマス・ツィーグラー, クルト・マール, 嶋田 洋一

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