妖精詩集 ☆☆☆

(妖精詩集 / ウォルター・デ・ラ・メア / ちくま文庫 1988)

作者デ・ラ・メアは、短篇「シートンのおばさん」や長篇「死者の誘い」の印象から(今のところ、読んだのはこの2作だけ)、怪奇幻想小説オンリーの作家というイメージだったのですが、本書の解説を読んで、ファンタジックな詩や童話でも著名な作家だと初めて知りました(「恋のお守り」と「ムルガーのはるかな旅」は、そのうち登場)。

さて、本作は1922年に出版された詩集で、妖精、魔女、魔法、小鬼などをテーマにした短詩が61篇、収められています。ケルトの妖精譚、ヴィクトリア朝時代のメルヘンやファンタジー、ダンセイニ卿の掌編などを思わせる、物語性や抒情性に満ちた作品ばかりです。翻訳者は荒俣宏さんで、もともと本書は『妖精文庫』シリーズの姉妹篇として月刊ペン社から刊行予定だった『挿絵入り妖精文庫』の1冊として準備されたものですが、版元の事情でシリーズ自体が刊行取りやめになったそうです。「挿絵入り」と銘打たれている通り、このちくま文庫版でも、原書に豊富に収録されていたドロシー・P・ラスロップによる妖精たちのイラストが(原書共にモノクロですが)掲載されています。
ちなみに、本書の原書はウェブ上で(イラスト込みで)無料公開されています。

詩の内容を紹介するのは野暮ですので、タイトルだけ記載しておきます。

<妖精たち>
おどる妖精/夢のうた/はくしょん!/分身/見おわらなかった夢/つのぶえ/三人の物乞い/まよいこんできたひと/あばらや/冬の妖精/ねぼすけ/サムの三つの願い、あるいは生の小さな回転木馬/やつれ果てて/取り替えっ子/うすのろが火のそばにいる/野生のヒアシンス/はちみつ泥棒/ベリー/楽しいよ、楽しいよ/水の精の歌/なんにも見えない/あざわらう妖精/ラン・ラン・ラン

<魔女と魔法>
野うさぎ/魔女三人みつけた/ひとり島/沈んだライオネス/眠れる美女/魔法にかかって/魔法の丘/夜の飛行/地面を離れて/悲しげに、ああ、悲しげに/小人/足長さん/人魚/小さな魔もの/サム/魔女/旅/ルーシーが散歩に出ると

<夢の世界>
気をつけなさい!/だれかが/音楽/魔につかれて/人から聞いた話/埋もれた花園/雪/夢の世界/女王ジェニラ/夜がくる/小さな緑の果樹園/老いた王さま/なまけ者/小さなザラマンデル/声/魔術/メルミロ/静かな敵/やどりぎ/ぼく、ちっとも!

オススメ度:☆☆☆



妖精詩集 (ちくま文庫) - ウォルター・デ・ラ・メア, Walter De la Mare, 荒俣 宏
妖精詩集 (ちくま文庫) - ウォルター・デ・ラ・メア, Walter De la Mare, 荒俣 宏

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