日本怪談集 ―妖怪篇― ☆☆☆

(日本怪談集 ―妖怪篇― / 今野 圓輔 / 現代教養文庫 1981)

昨年読んだ「日本怪談集 ―幽霊篇―」の姉妹篇です。
著者の紹介や、本シリーズ成立の経緯、構成などは、「幽霊篇」の記事をご覧ください。

本書は、基本的に死者の霊の顕現である「幽霊」以外の“妖しい”もの――実体のある(?)怪物である「妖怪」について、古今の説話集、随筆、実録、新聞・雑誌記事などから無数のエピソードを引用・紹介し、そこに反映されている日本人の民俗・文化的背景を考察しています。日本の「妖怪」を11の章に分けて紹介している(分類の基準は明確で一貫性のあるものではありませんが、それしかできないのが「妖怪」たる所以でしょう(^^;)ほか、補遺ならびに総括の「付録」2章が追加されています。

「第一章 路上に出没する妖怪」:外を出歩いていれば、誰でも出会う可能性のある妖怪。見越入道、野衾などのほか、ツチノコやカマイタチも、この分類に属しています。
「第二章 家の中の化け物」:代表的なのは座敷童です。そのほか、小袖の手、天井下がり、枕返し、納戸婆など、家の中にも妖怪はいっぱい。
「第三章 河童」:河童やそのバリエーションは日本全国に存在していますが、海にいるという話は少ないようです。
「第四章 山童とその他の童怪」:河童が川から山に上がると「山童」になるそうな。
「第五章 ぶきみな化け物」:「ぶきみじゃない化け物がいるのか?」というツッコミは置いておいて(笑)。ロクロ首(抜け首とロクロ首は別物だそうです)、一つ目小僧、大入道、海坊主、牛鬼など。
「第六章 ユーモラスなケモノたち」:化ける動物としては、狐、狸、貉、鼬、川獺などがいます。ただし、「ユーモラス」という限定があるため、猫は本章では扱われていません。
「第七章 恐ろしい動物の怪」:代表的なのが化け猫。ほかに猩々、狒々、大蜘蛛、蟇蛙など。そういえば、日本では犬の妖怪(英国のブラック・シャックなど)は聞きませんね。※地元の地名の由来となっている猫の説話が載っていて、嬉しかったです(^^
「第八章 鬼と天狗」:鬼に関する説話はあまり多くなく(「大江山の酒呑童子」や「羅生門の鬼」など超メジャーなエピソードはありますが)、それと対照的に天狗に関するエピソードは様々な場所で語られているようです。
「第九章 山姥」:若いのは「山姫」、年寄りは「山姥」、中間(笑)は「山女」と言うようです。
「第十章 磯女」:磯女や濡れ女は基本的に恐ろしい妖怪ですが、人魚は別のようです。
「第十一章 雪女」:男の家を訪れても、男を凍死させるケースと、風呂に入れられて(笑)解けてしまうケースがあるようです。
「付一 妖怪外伝」:上記で扱われなかった妖怪――付喪神、鵺などの化鳥、樹木の精霊、池や沼の「主」(怪魚のことが多い)などが紹介されています。
「付二 妖怪研究」:日本人が生活の中でいかに妖怪という概念を生み出し、具体化し、進化させてきたかを考察しています。

オススメ度:☆☆☆


日本怪談集 妖怪篇 (現代教養文庫) - 今野円輔
日本怪談集 妖怪篇 (現代教養文庫) - 今野円輔

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント