フロストルービンふたたび ☆☆☆

(フロストルービンふたたび / デトレフ・G・ヴィンター&トーマス・ツィーグラー / ハヤカワ文庫SF 2020)

『ペリー・ローダン・シリーズ』の第612巻です。前巻のラストで、ローダンはタウレクと、ローランドレのナコールはヴィシュナと、それぞれ自分にしかできない使命を果たすために、“バジス”から姿を消します。本巻では、それら二組の活動の顛末が描かれます。

「オルドバンの遺産」(デトレフ・G・ヴィンター):ローダンとナコール、コスモクラートふたりが去った“バジス”は、無限アルマダを銀河系へ導くべく、準備が進められていました。ところが、そこに異変が起きます。“バジス”の倉庫の一つに石壁が出現し、そこに閉じ込められているという救援要請が届きますが、救援を求めた人物は“バジス”の乗員ではありませんでした。グッキーがテレポーテーションで石壁の内部に侵入しますが、そこには誰もおらず、正体不明のかすかなプシオン放射が感じられるだけです。わずかなヒントを元に、グッキーは石壁の謎を解き、相手の正体を暴きます――超越知性体“それ”が、新たな悪戯(笑)を仕掛けていたのでした。
しかし、続いて“それ”が伝えたメッセージは、笑い事ではありませんでした。近いうちに、人類はコスモクラートと袂を分かち、独自の道を歩まなければいけないというのです。さらに、合流したブルから、ヴィルス・インぺリウムが未知の計算に多くの資源を費やしていることを聞かされます。驚愕し、不安にかられた“バジス”の面々は、ローダンの帰還を待つしかありませんでした。
その頃、ローランドレのナコールは、ヴィシュナと共に“シゼル”で無限アルマダに向かっていました。外からながめるだけでも、無限アルマダの各所で問題が起きていることがわかります。ナコールがオルドバンの精神の一部と融合したことで、アルマディストたちはアルマダ炎を失い、自主的にナコールに従うことを選んだわけですが、その結束は乱れ、あちこちで種族同士の深刻な対立・小競り合いが発生していました。その原因は、ヴィシュナによれば、オルドバンの残りの意識断片が収用されているメンタル保管庫同士の接続が切れてしまっているためでした。その不調の原因を探り、プシオン接続を復活させるには、一つ一つのメンタル保管庫を巡って原因を探るしかありません。
最初に見つけたメンタル保管庫で、ナコールはオルドバンの過去の経験を記憶している意識断片に同化しますが、その記憶にはネガティブな改竄が加えられていました。何者か(おそらくは、エレメントの十戒の工作員)が意識断片に破壊工作を加えていたのです。ナコールとヴィシュナは破壊工作のシュプールを追い、オルドバンの運命の重要な転換点となった出来事を記憶したメンタル保管庫で、ついに工作員の正体を知り、対決することとなります。

「フロストルービンふたたび」(トーマス・ツィーグラー):銀河系でも指折りのジャーナリストでレポーターのメイセンハートは、LFT首席テラナーのジュリアン・ティフラーから、銀河系を訪れる無限アルマダについてのドキュメンタリー番組を銀河系全体に放送するよう求められます。メイセンハートのクルーたちは、勇躍して、無限アルマダが最初に訪れる銀河イーストサイドのフェルト星系へ向かいますが、かれらの活動を妨害しようとする十戒の工作員が背後に迫っていました。
一方、ローダンはタウレクと一緒にフロストルービンへ向かうべく、移動用の搬送ジェットを待っていましたが、その間にタウレクから、モラルコードの謎や秩序と混沌の勢力の関係性と戦いの歴史、フロストルービンにおけるローダンの使命を聞かされます。フロストルービン(トリイクル9)にセト=アポフィスが残した意識断片の影響で、ルービン微生物と名付けられたプシ・エネルギー生命体が発生していました。多くの微生物はクロノフォシルによるn次元衝撃波で駆逐されましたが、3体が生き残っており、それらを退治できるのはローダンだけでした。なぜなら、3体のルービン微生物は、ローダンのクロノフォシル成分の一部を取り込んだために、強靭さを身に着けているからです。フロストルービンへ突入したローダンは、自分と同じ顔を持ったプシオン生物と対決することとなります。
その頃、フェルト宙域で放送を開始していたメイセンハートの宇宙船“キッシュ”では異変が起きていました。クルーたちは、船内に入り込んだ異生物により、みな精神的凍結――サイコフロストに陥っていたのです。これこそ、アウトサイド星系でエレメントの支配者が準備していた“冷気の群れ”による銀河攻撃の第一弾でした。

オススメ度:☆☆☆


フロストルービンふたたび (宇宙英雄ローダン・シリーズ612) - デトレフ・G・ヴィンター, トーマス・ツィーグラー, 嶋田 洋一
フロストルービンふたたび (宇宙英雄ローダン・シリーズ612) - デトレフ・G・ヴィンター, トーマス・ツィーグラー, 嶋田 洋一

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