魔物をたずねて超次元! ☆☆☆

(魔物をたずねて超次元! / ロバート・アスプリン / ハヤカワ文庫FT 2000)

ユーモア・ファンタジー『マジカルランド』シリーズの第8巻です。
前巻のラストで、スキーヴの元師匠にして相棒のオゥズは、書置きを残して姿を消してしまいました。故郷のパーヴ次元へ帰ってしまったのだと考えたスキーヴは、単身(?)、パーヴ次元へ乗り込む決意を固めます。他のメンバーは、世界征服に動き出した(らしい)ヘムロック女王を阻止するため、クラー次元のポッシルトゥムへ赴かなければなりませんでした(彼らの行動は、次巻「魔法探偵、総員出動!」で描かれます)。
実はスキーヴには切り札がありました。以前、ディーヴァの市場で入手した魔法の小壜には、何でも願い事をかなえてくれる霊鬼(「魔法のランプの精」か「ハクション大魔王」と言ったほうが、イメージが湧くでしょうか)が封じ込められているはずでした。ところが、壜の蓋を開けると、現れたのは身長20センチあまりの小さな姿でした。カルヴァンと名乗る霊鬼は、駄洒落好きでおしゃべりな一方、大した魔法は使えない、と正直に(笑)白状します。オゥズを見つけてくれと願えば一発で解決すると思っていたスキーヴは茫然としますが、ともかくカルヴァンを連れて、広大で猥雑なパーヴ次元を探索することになります。
パーヴの住人は、オゥズと同じ天冴鬼――人間から見れば、恐ろしい姿の悪魔です。スキーヴも得意の変装の魔術を使って怪物の姿になり、目立たないように行動しようとしますが、メンタリティは人間のままのため、天冴鬼にはありえないような言動を繰り返し、たちまちトラブルに巻き込まれます。挙動不審者として警官に職質(笑)され、解放されたものの、以降も要注意人物として目を付けられることとなってしまいます。
ホテルへ行くために拾ったタクシーの運転手エドヴィク(運転手以外にも様々な仕事を生業にしている、いわば便利屋です)のアドバイスで、少しずつパーヴで行動する術をおぼえていくスキーヴですが、ホテルではボッタクリに遭いそうになり、食事に出れば人間向けのパーヴ風料理を出されて気絶する始末。このトラブルで、またも警察のご厄介になり、警官からはスキーヴが犯罪組織とかかわりがないかなど、身元調査に本腰を入れると脅されます。実際、スキーヴはディーヴァ市場でマフィアの代理人となっているわけで、ますます不安は高まります。
オゥズの行方を探すには、魔術師か金融業者のルートをたどるべきだと考えたスキーヴは、まずは金融業者のキザヤを訪ねますが、自分の生き方や考え方に対して痛い指摘を受け、酒場でやけ酒を飲み始めます。当然ながら大金を持っているスキーヴはトラブルに巻き込まれ、カルヴァンの魔法と、昼間助けてやったもぐりの露天商J・Rの手助けでなんとか脱出しますが、みたび警察のお世話になってしまいます。
スキーヴはキザヤに指摘された自分の生き方について、カルヴァンと真剣に議論し、自分の弱さや欠点と初めて真剣に向かい合うことになります。新たな気持ちでオゥズ探索に臨むスキーヴは、エドヴィクの助言で凄腕の女性ボディガード、プーキーを雇い、魔術学校をあたってみることにします。すると、オゥズが『パーヴ魔術学院』の名物卒業生だった情報が得られますが、事情により中退していたため、現在の連絡先はわかりません。
ついに警察から、危険人物としてパーヴ次元からの立ち退きを命じられ、悄然とホテルへ帰ったスキーヴを待っていたのは――。

オススメ度:☆☆☆


魔物をたずねて超次元!―マジカルランド (ハヤカワ文庫FT)
魔物をたずねて超次元!―マジカルランド (ハヤカワ文庫FT)

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