大魔術師も楽じゃない! ☆☆☆

(大魔術師も楽じゃない! / ロバート・アスプリン / ハヤカワ文庫FT 1998)

ユーモア・ファンタジー『マジカルランド』シリーズの第5巻です。
前巻のラストで、スキーヴはポッシルトゥムの宮廷魔術師を退職し、ついでにオゥズとの師弟関係も解消して対等な(?)パートナーとなって、ディーヴァ次元の市場の一画に建てられた屋敷に住んでいます。同居しているのはオゥズのほか、真の魔術師になるために弟子入りしてきたマッシャ、市場におけるマフィアの代理人(笑)であるスキーヴの護衛グィドとヌンジオ――とはいえ、家の中が手狭というわけではありません。正面入り口は市場の一般の露店に過ぎないものの、内部は別の次元に広がる立派な屋敷になっていて、いわくありげな“開かずの扉”まで存在しています。
スキーヴの外出中、屋敷を訪れた依頼人の応対にオゥズとグィドが言い争っているうちに、男女3人からなる依頼人は、件の“開かずの扉”をこじ開けて、市場の亜口魔たちも近づこうとしない謎の次元へ逃げ出してしまいます。それもそのはず、彼らはディーヴァの市場で詐欺を働き、お尋ね者となっていたのでした。市場の顔役たちは、詐欺師一味を捕らえてくるか、被害の全額を賠償するよう、スキーヴに要求してきます。さっそく前者を選んだオゥズは、同行しようとするスキーヴを殴り倒し、単独で異次元へ赴いてしまいます。数日たっても戻らないオゥズを心配し始めたスキーヴのもとに、ルアンナという美少女が訪れます(実は、彼女は第1巻第2巻でも、数シーンだけ登場しています)。ルアンナは、オゥズが殺人容疑者として牢獄に入れられている、と告げたまま姿を消しますが、グィドの証言では、彼女は詐欺師3人組のひとりでした。
スキーヴは、グィドとマッシャを連れて(頼りになるタンダとチャムリィは留守にしていたので、書置きを残してきています)未知の次元へ赴きますが、そこは吸血鬼や人狼が普通に暮らしている世界でした。しかも、ここでは魔力の根源となっている術力線が異常に弱く、大魔術師(笑)スキーヴも、ほとんど魔力を発揮することができないことが判明します。それでも最寄りの町ブルットへ向かったスキーヴ一行は、人のいい便利屋の吸血鬼ヴィルヘルムから情報を得ると、情報通の人狼のカップルのもとに向かいます。途中、尾行してきたルアンナから、オゥズを陥れた張本人は詐欺師仲間のひとり、ヴィクという吸血鬼で、本人がオゥズに殺されたと偽装して逃げていると聞かされます(ルアンナは再び姿を消してしまいます)。スキーヴは人狼ドラーキャとイッニュの家でいくるか情報を得ますが、たまたま同じ家に隠れていたヴィクはコウモリの姿になって逃げ去ってしまいます。
オゥズの処刑の時が迫っていることを人狼から聞かされたスキーヴは、強引に牢破りをしてオゥズを救出する決意を固めます。オゥズが閉じ込められている牢獄とは、生きた岩ドラゴンの口の中でした。妙な真似をすれば噛み潰されてしまうので、逃げようがないわけです。しかし、知恵の回るスキーヴは思いがけない(しかも、ばかばかしい)手段を使って牢破りを成功させます。深夜の町へ逃げ出した一行ですが、夜目の利く吸血鬼たちに追われ、追い詰められたところを、書置きを見て応援に駆け付けたタンダとチャムリィに救われます。
ヴィクを捕らえ、オゥズの無実を証明するために、スキーヴらはヴィルヘルムや人狼ペペの協力で吸血鬼に変装(?)し、街中へ散っていきます。そして、スキーヴとヴィクは魔術師と吸血鬼らしく(?)屋根の上で対峙することとなりますが――。

オススメ度:☆☆☆




大魔術師も楽じゃない!―マジカルランド (ハヤカワ文庫FT)
早川書房
ロバート アスプリン

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