時間ダム構築 ☆☆☆

(時間ダム構築 / H・G・フランシス&H・G・エーヴェルス / ハヤカワ文庫SF 2018)

『ペリー・ローダン・シリーズ』の第563巻です。
前半は前巻からの続きで、M-82銀河でのシンクロニト育成を妨害しようとするローダンの行動が、後半ではヴィシュヌの侵攻を防ごうとするブルやティフラーの作戦が描かれます。

「シンクロドローム突撃作戦」(H・G・フランシス):ローダンは、アルマダ工兵が自分の細胞サンプルの他にロナルド・テケナーの細胞も入手していることを知り、細胞サンプルの奪還とシンクロニト作成を妨害しなければならないと、ますます意を固めます。そして、シンクロニト育成所であるムルクチャヴォルへの侵攻作戦を実行に移します。
陽動作戦でムルクチャヴォルの防御バリアを弱体化させ、大型戦艦で一気に突破しようという作戦でしたが、計画通りにはいかず、バリアを突破できたのはスペース=ジェット2機だけでした。一機はボクシングのチャンピオンでもある肉体派のアライアンスが率いる部隊、もう一機は繊細で慎重派のピアニスト、フリオが指揮しています。実はアライアンスとフリオはロボット技術者ランシーをめぐってライバル関係にありました(今回、ランシーはフリオの隊の一員として参加しています)。
アライアンスの隊とフリオの隊は、お互いに侵入に成功していることを知らず、自分たちだけが侵入した唯一の隊だと考えて、細胞サンプルを求めて移動を開始し、ロボット部隊と交戦しながら中枢部を目指します。一方、アルマダ工兵のショヴクロドンはテラナーの細胞サンプルに不死の秘密が隠されていることを察知し、自らの目的のために利用しようと、ヴァークツォンに隠れてサンプルを持ち去ろうとします。またヴァークツォンは細胞エンジニアである“忍び足”の反乱に悩まされていました。

「時間ダム構築」(H・G・エーヴェルス):テラでは、いつ来るかわからないヴィシュナの侵攻に備えて、エラートがもたらした“それ”の助言に基づき、防御作戦が実行されていました。偽のテラとルナのプロジェクションを軌道上に出現させた後、数千人のプシオニカー(プシオン能力の高い人々)をチベットの訓練センターに集め、作戦の第2段階として、本物のテラとルナをプシオン能力を使って微小な異宇宙へシフトさせようというのです。この作戦は、わかりやすく「時間ダムの構築」と呼ばれました。
エラートの指導でプシオニカーの訓練が始まり、実験が行われますが、最初の大規模実験は失敗し、思わぬ時空の混乱現象が発生します。中生代の恐竜が出現したり、古代ギリシャ人が現れたり、ツナミ艦“ツナミ=38”が3億年目のデボン紀に迷い込んだり、といった「10月1日では遅すぎる」もかくやという大混乱が発生し、唐突に収まります。それ以前に、デボン紀の地層からセラン防護服に包まれたミイラ化した遺体が発見され、遺体はツナミ=38の乗員コンダ・ソーンの認識票を持っていました。コンダは、自分がデボン紀で死ぬのだと思い込み、艦を出て逃走しますが――。

オススメ度:☆☆☆




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