魔道士の魂1 ―消えゆく魔法― ☆☆☆

(魔道士の魂1 ―消えゆく魔法― / テリー・グッドカインド / ハヤカワ文庫FT 2005)

『真実の剣』の第5シリーズの第1巻です。
一連の流れが完結して「めでたしめでたし」となっても、すぐに新たな苦難や問題が発生するのが、本シリーズの定番ですが、今回も同じです。

前シリーズ最終巻で、晴れて結婚式を挙げたリチャードとカーランは、“泥の民”の村で、束の間の新婚生活を送ろうとしていました。護衛として同行しているモルド・シスのカラも、さすがに二人の小屋には無断で入って来ようとはしません。ようやく再会できたゼッドとアンも村に滞在しており、リチャードの冒険談を聞きたくてうずうずしているようでしたが、ともかく二人のプライバシーは、かろうじて守られていました。もっとも、至高秩序団と首領の夢魔ジャガンはミッドランズに脅威を与え続けており、間もなく二人はアイディンドリルに戻って山積する問題に頭を悩ませねばなりません。
村の近くの温泉に浸かろうと出かけたリチャードとカーランは、泥の民の長老である“鳥男”から、奇妙な言葉を聞きます。村には無数の鶏が放し飼いにされているのですが、「その中に一羽、鶏でないものがいる」というのです。一笑に付すカーランですが、鶏にちょっかいを出してけがをした子供がいることを知ったリチャードは、事態を真剣に考え始めます。さらに、二人を隠れて護衛していた泥の民の狩人ジュニが異様な行動をして溺死したことも、不安を募らせました。リチャードは村中の鶏を小屋に集めさせ、“鳥男”に検分してもらいますが、“鶏でない鶏”は見つかりませんでした。リチャードの正気を疑い始めたカーランですが、深夜、ジュニが安置されている小屋で邪悪な“鶏”に襲われかけ、考えを改めます。ゼッドは、その“鶏”は、地下世界から地上へさまよい出てきた悪霊ラークだと告げるのでした。
前シリーズのクライマックスで、死に瀕したリチャードを救うため、カーランは、地下世界の霊チャイムの名前を唱えました。それは、とりもなおさず、チャイムを地上へ召喚することになったのだ、とゼッドは言います。チャイムは、地上世界の魔法を徐々に弱めていき、ついには魔法が地上から消え去ってしまう可能性すらありました。事態を正すためには、リチャードは魔道士の砦に赴き、ある行動をとらねばなりません。しかし、魔法が薄れつつある現在、スライフを使って一気に移動するのは危険でした。リチャードとカーラン、それにカラは、陸路をとって魔道士の砦へ向かいます。しかし事態は、ゼッドがリチャードに告げたよりも、遥かに緊迫して危険なものでした。ゼッドがリチャードを魔道士の砦に向かわせたのは、砦の中にいるしか、リチャードの命を救う方法がないからだったのです。
一方、魔法の涸渇が最初に影響を及ぼすだろうとゼッドが予言した、ドラン川河口の町アンドリスは、奇妙な階級制度が敷かれていました。罪深い、穢れた存在とされるハーケンと、邪悪さと縁のない善良な存在とされるアンダーです。ハーケンの若者フィッチは、アンドリスの文化長官の屋敷の下働きとして働き、アンダーたちから蔑まれながらも、いつかは他人の役に立つ人間になるという志を抱いていました。想いを寄せているベアタが、長官の補佐官ダルトンに目をかけられているのを見て、心穏やかでないフィッチですが……。

次巻へ続きます。

オススメ度:☆☆☆




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