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zoom RSS ラヴクラフト全集7 ☆☆☆

<<   作成日時 : 2014/12/10 22:27   >>

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(ラヴクラフト全集7 / H・P・ラヴクラフト / 創元推理文庫 2005)

創元推理文庫版『ラヴクラフト全集』の第7巻、最終巻です(実際には、このあと別巻が上下2冊で出ています)。これで、クトゥルー神話を創始したラヴクラフトの小説は全作品がまとめられたことになります。編者で翻訳者の大瀧啓裕さんの労作です。
この巻は、拾遺編とも言うべき内容で、過去6巻から漏れた、あまり有名でない(笑)小品を中心に、文章修行時代の習作、中断した断片、後に作品に結び付いた夢を紹介した書簡など、様々な作品が収められています。

「サルナスの滅亡」:1万年前、古代都市サルナスが誕生し、滅ぼされた古代種族の呪いにより滅亡するまでを描きます。「サルナスをみまった災厄」(青心社文庫「ウィアード1」所収)というタイトルもあります。

「イラノンの探求」:幻の都市アイラを求めて世界を遍歴する歌い手の青年イラノンが、最後に見出したものとは――。

「木」:ふたりの才能ある彫刻家カローとムーシデスは、同じ家に住んでいましたが、性格は正反対でした。森が好きだったカローが死に、オリーブの森に埋められた彼の墓に一本の木が生えます。

「北極星」:北方の古代都市に転生した語り手は、北極星がまたたく空のもと、北から侵攻してきた蛮族と戦うことになります。

「月の湿原」:アイルランドの古城を買い取って移り住んだバリイが、付近の湿原を干拓しようとしたとき、土地の住民も召使たちも逃げ出してしまいます。それでも干拓を強行したバリイの運命は――。

「緑の草原」:海中から引き揚げられた隕石から発見されたノートには、どことも知れぬ世界に迷い込んだ男の手記が書かれていました。

「眠りの神」:彫刻家の語り手は、親友とともに、夢を見ることで異世界へ至ろうとしますが、思いもよらぬ悲劇が待ち受けていました。「ヒュプノス」(青心社文庫「クトゥルー12」所収)というタイトルもあります。

「あの男」:平穏なニューイングランドから魔の跳梁する都市ニューヨークへ移り住んだ語り手は、異様な言動をする男に出会い、ニューヨークのはるかな過去や未来を垣間見ることになりますが……。

「忌み嫌われる家」:プロヴィデンスに建つ多くの死者を出した不吉な家について知り、そこで起きる怪異を解明しようとした語り手は、土地の伝説を収集している叔父とともに、その家で一夜を過ごすことになります。その地下に潜むものとは……。「忌まれた家」(河出文庫「アメリカ怪談集」、角川ホラー文庫「ラヴクラフト恐怖の宇宙史」所収)というタイトルもあります。

「霊廟」:子供のころから厭世的で世間から切り離されて育った語り手は、森の中の墓地で孤独に過ごすことを好んでいました。中でもハイド家の霊廟に惹かれ、ひそかに内部に入っては空の棺に横たわっていましたが、やがて霊廟の影響を受け始め、奇行を見せるようになります。

「ファラオとともに幽閉されて」:雑誌に発表されたときはハリー・フーディニ作と銘打たれていた作品。脱出トリックの名人だったフーディニ自身を語り手とした物語です。エジプトのギザのピラミッドを訪れたフーディニは、案内人のエジプト人にだまされて、縛り上げられたあげく、地下深くの穴倉に幽閉されてしまいます。暗闇の中で脅威が迫り、フーディニは自分の技術のすべてをかけて、死をかけた脱出に取り組みます。

「恐ろしい老人」:キングズポートの町に、正体不明、年齢不詳の老人が住んでいました。小金を貯め込んでいるのではないかと考えた3人組のごろつきが押し込み強盗を働きますが……。

「霧の高みの不思議な家」:キングズポートのはずれの崖の上に、霧の中に浮かび上がるように建つ謎の家がありました。その家の住人が誰なのかを確かめようと、哲学者のオウルニイは険しい断崖を登り、不思議な家にたどり着きますが――。

<初期作品>
「洞窟の獣」:洞窟で迷子になった語り手は、謎の獣に脅かされます。オチは見え見え(^^
「錬金術師」:600年前の錬金術師に呪いを受け、32歳で死んでしまう運命を背負った現代青年が、ついに呪いの正体を突き止めます。これもオチは見え見え(^^
「ファン・ロメロの変容」:ノートンの金鉱山で落盤事故が起き、亀裂が生じます。それ以来、メキシコ人鉱夫のファン・ロメロの様子がおかしくなり――。
「通り」:ある町の通りが歴史の流れの中でいかに変容していくかを描きます。
「詩と神々」:夢の中でパルナッソス山に至ったマーシャは、自作の詩を詠んで神々に讃えられます。

「夢書簡」:ラヴクラフトが、自分が見た夢を友人知人に書き送った手紙のうち、物語性が強いものを8篇ほど紹介しています。小説にしてくれたらよかったのに(^^;

<断片>
「アザトホース」:ある男の夢の描写ですが、途中で切れてしまいます。アザトホースは出てきません(^^;
「末裔」:「ネクロノミコン」を手に入れたウィリアムズ青年は、世捨て人のノーサム卿に口を開かせることに成功しますが、肝心のノーサム卿が語った内容が記述されていません。書いてほしかったなあ。
「本」:恐るべき古書を入手した語り手は、異世界を垣間見るようになります。それだけ。

オススメ度:☆☆☆





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