地底都市の巨神 ☆

(地底都市の巨神 / エリック・ノーマン / ボーダーランド文庫 1997)

大陸書房刊のオカルト本の復刊が多いボーダーランド文庫ですが、本書が大陸書房版の復刊かどうかはわかりませんでした(わかってもわからなくても、特に問題はありませんが(^^;)。レイモンド・バーナードの「地球空洞説」と同じく、地球の内部には空洞がある、というネタのトンデモ本です。著者のエリック・ノーマンは、ブラッド・スタイガーの筆名で多くのオカルト本を書いているそうです(1冊だけ「ハリウッド・スーパーナチュラル」というのを読んでいました)。

地球内部では、アトランティスやレムリアの住人の子孫が高度な文明を保持して暮らしており、UFOも地下世界から飛来するもので、地表で暮らす現代人による核兵器の乱用に警告を発している、というのが本書の大筋ですが、著者ノーマンは自分のオリジナルな主張はほとんどしておらず、別のオカルト研究家や神秘学者、トンデモ著述家などの著作の内容を次々に紹介しているだけです。それぞれの内容に共通項が多いことを挙げて、「これらは真実がひとつであることを示している」と述べていますが、トンデモさんたちが同じネタをパクリ合っているだけじゃないのか、という発想はないようですし(笑)、互いの内容に矛盾点があっても、それらはすべてスルーしています。笑えるのは、自分が別の筆名で書いた本から「ブラッド・スタイガーは次のように述べている」と何度も引用している点。これは“自作自演”というのでは?(^^;
まず、アガルタやシャンバラに住んでいる地底世界人は、みなアトランティスやレムリアが滅びるときに地底へ逃れた超古代文明人の子孫だ、と言っています。まずはアトランティスやレムリアが実在していたことを示さなければならないと思うのですが、著者をはじめ、地球空洞説本の著者たちは、それらの前提を当然のこととしているため、最初から主張が破綻しています。また、地底人と会話したり、地底世界へ連れて行かれたりした人々の証言は、みななぜかアダムスキーの体験にそっくりなのですが……。
自分をガリレオになぞらえて自己陶酔しているマーシャル・ガードナーとか、例のシェーバー・ミステリーを実話としてSF雑誌に載せたレイモンド・パーマーとか、いずれにせよネタが古く(なにしろ50年近く前の本です)、「そういえば、こんな話があったなあ」と昔を懐かしむくらいしか、存在意義はなさそうです。

オススメ度:☆






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角川春樹事務所
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この記事へのコメント

X^2
2019年03月13日 23:08
この「巨神」の元ネタはおそらく、エドワード・ブルワー=リットンの「来るべき種族」ではありませんか?こちらの方は中々読ませるユートピア小説です。
〇に
2019年03月17日 13:48
メッセージ、ありがとうございます(^^
リットンというと、「幽霊屋敷」を書いたリットンですよね。「来るべき種族」という作品は、知りませんでした。教えていただき、ありがとうございます。

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