異都発掘 ☆☆☆

(異都発掘 / 荒俣 宏 / 集英社文庫 1988)

集英社文庫版『荒俣宏コレクション』の、これは第1巻になるのでしょうか(まだ、シリーズ名が付いていません(^^;)。
副題が「新東京物語」となっていますが、PART-1は1980年代後半(まさに昭和末期ですな)月刊PLAYBOY誌上で連載された“消えゆく東京を象徴するオブジェ・ツアー”の記事をまとめたもの、PART-2はそれを補完する意味で、PART-1以前に各雑誌に発表された“イメージ・ツアー”をいくつか収録したものです。
つまり、荒俣さんのパターンとして、まずは書物などから机上でイマジネーションの翼を広げ、それに基づいて実地検証に出掛けていくという行動を取ることが多く、本書もそのパターンに則しているわけです。

PART-1は、「軍事都市」、「風水都市」、「地下都市」、「南方都市」、「快楽都市」、「怨霊都市」、「幻想都市」という7つの切り口から、東京都内に残る“知られざるオブジェ”を探索し、カラー写真を含めて実地に紹介してくださっています。すでに四半世紀が経過していますから、“消えゆく東京”というテーマの通りに実際に消えてしまったものも多いと思いますが、詳細な地図も掲載されていますから、暇があれば、その足跡を追って現在までに起きた変化を調べるのも一興かもしれません。そして、締めとして“未来の東京”を先取りしているという神秘都市――上海を紹介しています。
PART-2には6つのエッセイが収められています。東京にユートピアをもたらそうとする明治維新以降の動きを描く「ユートピア都市」、その一環として南洋に求められた「南方ユートピア都市」、近代都市・東京に住む少年少女の眼差しに思いを馳せる「都市の少女のために」と「都市の少年のために」、そして東京各所に隠されているヨーロッパの種々のシンボルを探索する「装飾都市」2篇。

このように多角的に東京という都市を捉える視点が、「帝都物語」などに反映されているのですね。

オススメ度:☆☆☆
(実際の読了日:2012/2/24)


異都発掘 新東京物語 (集英社文庫)
異都発掘 新東京物語 (集英社文庫)

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