風水先生 地相占術の驚異 ☆☆☆

(風水先生 地相占術の驚異 / 荒俣 宏 / 集英社文庫 1994)

集英社文庫版『荒俣宏コレクション』の1冊。1993年に週刊プレイボーイ誌に連載された「ニッポン風水漫遊記」を中心に、風水についてまとめた入門書です。とはいえ、個人の家や生活などに応用する“スモールスケール風水”にはほとんど触れず、国や都市作りに大きな影響を与えている“ラージスケール風水”にスポットを当てています。風水には、もうひとつ重要なジャンルとして“墓地風水”があるそうで、かつて中国や韓国、沖縄などでは、この分野が最も重要視されていたそうですが、現在の特に日本の実情には合わないため、このテーマについてもほとんど触れられていません。
とはいえ、90年代前半にさかのぼると、日本ではまだ風水はほとんど知られていなかったのですね。現在の「猫も杓子も風水」という状況から考えると、ずっと昔から流行っていたように思いますが、やはりこれもバブルの一種だということなのでしょうか。そういえば、荒俣さんには90年代半ばから後半にかけて書かれた『シム・フースイ』という“風水ホラー”のシリーズもありました。

内容としては、1997年に中国に返還されることになっている香港で起きた、巨大銀行の新社屋をめぐる壮絶な風水戦争を皮切りに、香港の風水の専門家を日本へ招いて、大手企業の本社社屋を風水の立場からチェックしています。また、典型的な風水都市である韓国の首都ソウルの成り立ちを解説し、日本の占領時代に朝鮮総督府が(風水を知ってか知らずか)行ったパワー封じを分析します。
続いて、風水を実践するのに必要な基礎知識を紹介していますが、ここは五行(木火土金水)の相性・相克関係や十干十二支などの素養がないと、ちと理解するのが難しいかもしれません(誰でもすぐわかる、とは書いてありますが)。
メインとなる後半は、日本各地の主要都市・土地を巡って、風水的にどのような意味があるのか分析し、興味深い説を繰り広げています(若干、強引な論旨展開のところもありますが、そこはご愛嬌)。沖縄、石垣島、奈良(飛鳥京に平城京)、京都、大阪、江戸と東京(ちなみに「大江戸魔法陣」よりも、はるかに説得力があります)、博多、名古屋、そして北海道・・・。この18年前の分析を、現在の各地の状況と比べてみるのも一興かもしれません。

オススメ度:☆☆☆


荒俣宏コレクション 風水先生 地相占術の驚異 (集英社文庫)
荒俣宏コレクション 風水先生 地相占術の驚異 (集英社文庫)

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