逆説の日本史8 中世混沌編 ☆☆☆☆☆

(逆説の日本史8 中世混沌編 / 井沢 元彦 / 小学館文庫 2004)

『逆説の日本史』シリーズの第8巻。前巻「中世王権編」に引き続き、室町時代が扱われます。応仁の乱、山城国一揆と加賀の一向一揆、室町時代が生み出した日本独特の文化の数々――といったテーマが、井沢さんならではの斬新な視点で解説されていきます。
前巻のときも書きましたが、高校の日本史の授業(ウン十年前です)では、室町時代はいちばん印象に残っていません――あまり試験にも出なかったし(笑)。ですが、こんなに濃密で考えさせられるエピソード(人間ドラマに政治ドラマ)が満載の時代だったとは、思ってもみませんでした。将軍義政の政治オンチ(というか、政治嫌い)と、正妻・日野富子の吝嗇ぶり(「日本史上最大の悪妻、最も金に汚い女」とまで表現されています)、それにつけこんだ策士・細川勝元と老練な武人・山名宗全との対立、なぜ京都に「西陣」があって「東陣」がないのかという理由、日本史上最初の「戦国大名」は誰か――など、学校で教えてくれない深い歴史的事実が、次々に展開されて、目からウロコが落ちまくりです。
同じ一揆でも、山城の国一揆は7年で終焉したのに、加賀の一向一揆は100年近く継続できたのかという分析も見事ですし(やはりビジョンとカリスマの存在が重要なのですね)、本書の白眉は、「日本の将棋は、なぜ相手方の駒を取って、自分の持ち駒として使用できるのか」という理由の分析でしょう。なるほど、将棋はチェスではなく●●●●●だったのか・・・。

オススメ度:☆☆☆☆☆


逆説の日本史8 中世混沌編(小学館文庫): 室町文化と一揆の謎
逆説の日本史8 中世混沌編(小学館文庫): 室町文化と一揆の謎

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