アラマタ図像館5 エジプト ☆☆☆

(アラマタ図像館5 エジプト / 荒俣 宏 / 小学館文庫 1999)

荒俣宏さんが、リーズナブルな価格で(笑)秘蔵の図像を公開してくださる『アラマタ図像館』の第5巻。テーマは「エジプト」です。
ピラミッドやスフィンクスに代表される古代エジプトは、西洋では考古学者の関心の的となっており、「エジプト学」という学問ジャンルまであるほどですが、初めてエジプトの全貌をヨーロッパに伝えるきっかけになったのは、ナポレオンによる18世紀末のエジプト遠征でした。戦略的・政治的な目的は英国軍によって阻止されたものの、このときナポレオン軍に同行したフランス人科学者らは、素晴らしい成果を持ち帰り(あのロゼッタストーンの発見も、このときでした)、20年という歳月をかけて「エジプト誌」という大部の書籍を刊行したわけです。
「エジプト誌」は、300冊ほどしか刊行されておらず、完全な初版は1000万円を下らないという稀覯本だそうですが、荒俣さんは希少価値をさんざ持ち上げた上で、「著者所蔵の版は・・・」とさりげなく記して、何気に自慢していらっしゃいます(笑)。
本書に収録されている図版のほとんどは、この「エジプト誌」収録のものであり、エジプト各地の風景(当時は頭しか砂から出ていなかったスフィンクスの図も)から、神殿(過去の想像図も含めて)、壁画、ミイラ(人間だけでなく動物も。ワニのミイラは出色)、スカラベなどの装飾品、鉱物、動植物の細密な図版が紹介されています。
また、直接エジプトとは関係ありませんが、冒頭の荒俣さんの「寓意画」に関する解説も興味深いです。

オススメ度:☆☆☆


アラマタ図像館 (5) (小学館文庫)
アラマタ図像館 (5) (小学館文庫)

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