イクシーの書庫

アクセスカウンタ

zoom RSS フラクタルの女神 ☆☆☆

<<   作成日時 : 2018/01/03 19:13   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

(フラクタルの女神 / アン・ハリス / 創元SF文庫 2005)

作者アン・ハリスのデビュー長篇です。

近未来のアメリカ、デトロイトの貧民街で育ったマグノリアは、弟や妹の面倒をみていた姉がギャングの銃撃戦に巻き込まれて死んだことがきっかけで家を飛び出し、ニューヨークへ流れつきます。スナッフ・ポルノを制作しているデイノに声をかけられたマグノリアは、性行為に及んだあとナイフで殺されそうになりますが、鍛えられた反射神経と腕っぷしで返り討ちにする(すべてネットで生中継されています)と、金を奪って空港へ向かいます。
このライブ中継を見ていた中に、人工知能生命を研究する科学者ラウール博士がいました。ラウールは、かつてシベリアの秘密研究施設ウォトロヤ・ハウスで植物をベースにした人口有機生命体を創り出したことがありますが、思わぬことから失敗に終わっています。その後、自律型アンドロイドの実用化によって巨万の富と名声を手に入れていましたが、真の自由意思を持った人工知能生命体の開発を諦めてはいません。まったく予想外の行動を取ったマグノリアを見て、彼女のメンタリティをベースに人工知能を創り出すことを考えたラウールは、デイノのボスに話をつけ、マグノリアの身柄を預かることとなります。空港でマグノリアと接触したラウールは、1万5千ドルで話をつけ、研究所のあるチュニスに来るよう指示します。
しかし、ライブ中継を見ていたのはラウールだけではありませんでした。ラウールの部下でウォトロヤ・ハウスの保安主任をしているケリラは、幼い頃売春宿に売られていった姉ローズを探すため、ポルノネットワークに頻繁にアクセスしており、マグノリアの姿を見て心を動かされます。折しも、女性型アンドロイド(セクサロイドでもあります)のミズ・ウージクに命じて、マグノリアをチュニスに連れてくるようラウールの命を受けたケリラは、命令に反してマグノリアをウォトロヤ・ハウスへ連れてくるようミズ・ウージクに命じます。しかし、ケリラがラウールを裏切るよう唆したのは、施設の池に幽閉されている初代の有機人工知能生命体、半魚人の体を持つタムカリでした。
何も知らずシベリアへ連れて来られたマグノリアは、施設で独自の研究を続けている女性分子生物学者シドと知り合い、いつしか愛し合うようになります。一方、マグノリアはケリラの命令で格闘技の訓練を受けるようになりますが、ケリラの部下で粗暴なスパイダーにちょっかいを出されたことに腹を立て、文字通りスパイダーの顔を破壊してしまいます。以降、スパイダーは復讐の機会を求め、執拗にマグノリアを監視するようになります。
マグノリアに刺されて重傷を負ったデイノは、どうにか回復して情婦のローズ(ケリラの姉)のところへ舞い戻りますが、デイノの暴力から必死に逃れようとするローズに煮えたぎる油を浴びせられ、再び瀕死の重傷を負います。ローズは一人息子アントニンを連れてアメリカを逃げ出し、アムステルダムに安住の地を求めます。
なぜ自分がチュニスではなくシベリアにいるのかを怪しんだマグノリアは、タムカリから真相を教えられ、ケリラと対決しますが、ローズのことを聞かされ、怒りを収めます。チュニスへ行けば、約束の大金を手にすることはできますが、愛するシドと離れなければならないという事情もありました。当のシドは、研究していたタムカリのミトコンドリアに驚くべき機能があることに気付き、自分に注射して実験しようと考えていました。そんな折、マグノリアがウォトロヤ・ハウスにいる真相を知ったスパイダーは、ラウールに密告し、ラウールはケリラに対する罰として、ウォトロヤ・ハウスの閉鎖を通告します。
シド、ケリラ、マグノリアは先手を打ってウォトロヤ・ハウスを逃れ、アムステルダムへ落着きます。ここでケリラは、幸運な偶然から、姉ローズと十数年ぶりに再会するのでした。一方、マグノリアを負うラウールは、マグノリアの弟で片脚のマナスを使って(実は、マナスは片脚を失ったのと引き換えに、予知能力を得ていました)、マグノリアを誘き出そうとします。そして、鉄砲玉として選んだデイノに命じ、シド、ケリラ、マグノリアが一緒にいる場所でケリラを銃撃して殺すよう、アムステルダムに送り込みます。スパイダーと相棒デックスからの通報で、3人がショッピングモールに集合することを知ったデイノは、銃撃のために急行しますが、彼が撃ったのはケリラではなく、タムカリのミトコンドリアの影響で肉体的にも精神的にも変貌を遂げたシドでした。
混乱の中、マナスはマグノリアと共にウォトロヤ・ハウスへ戻ることを決意します。ケリラとローズ、アントニンを人質にしたデイノ、ラウールからデイノを始末するよう命じられたスパイダーらも、前後してウォトロヤ・ハウスに集まり、タムカリやミズ・ウージク、銃撃されて死んだはずのシドを含め、事態は大団円を迎えます。

オススメ度:☆☆☆




フラクタルの女神 (創元SF文庫)
東京創元社
アン・ハリス

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by フラクタルの女神 (創元SF文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
フラクタルの女神 ☆☆☆ イクシーの書庫/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる