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zoom RSS 城 夢想と現実のモニュメント ☆☆☆

<<   作成日時 : 2018/01/03 17:37   >>

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(城 夢想と現実のモニュメント / 澁澤 龍彦 / 河出文庫 2001)

タイトルどおり、「城」をテーマとしたエッセイです。澁澤さんは、自ら「カステロフィリア(城砦愛好)」という造語を単行本の副題としたくらい、幼いころから「城」に憧れと執着を持っていたそうで、それが結実したのが本書だというわけです。また、本書が他のエッセイと違うのは、出不精(笑)で書斎に閉じこもってばかりだった澁澤さんが、実際に現地(安土城、姫路城、さらにフランスのラコストに建つサド侯爵の城砦跡)を訪れて、生の印象をそのままレポートしていることです(他の著作の多くは、古典・原典を渉猟することから生み出された、書斎生まれのエッセイですから)。澁澤夫人、龍子さんによるあとがきでは、旅中の澁澤さんの微笑ましい(?)姿(金銭感覚ゼロで方向音痴、とても一人では置いておけなかったそうです(^^;)も見られます。

まずは、安土城。幼い頃からアラビアやヨーロッパの古城ばかりに惹かれていた澁澤さんが、初めて興味を惹かれた日本の城だそうです。それは、とりもなおさず安土城を築いた織田信長への関心によるものでした(ちなみに、2番目に興味がある戦国武将は上杉謙信で、どちらも突き抜けたリアリスト/ロマンチストだったからとか)。安土城址をめぐりつつ、信長とイエズス会の宣教師たちとの濃密な接触の意味に思いを馳せます。
次いで、1970年に初めて海外旅行に出た澁澤夫妻が、フランス滞在中に訪れた南仏ラコストに残るサド侯爵の城にまつわる思いが描かれます。城に閉じこもって妄想を書き続けたサドにとって、牢獄に閉じ込められたことも城砦にこもるのと同じ意味を持っていたとか、サドの作品で描かれたアブノーマルな性の饗宴は実際に城内で行われていたのかという疑問など、レアでディープな考察が満載です。
最後は姫路城で、ここでは城自体よりも、城の天守、最上階に住むと言われる妖しのもの“オサカベ”についての考察が中心となります(雑誌の取材で訪れてはみたものの、実際の姫路城には、あまり興味がわかなかった模様――正直ですね(^^;)。さらに「城と自動人形」という不思議な関連の例として、ヴェルヌの「カルパチアの城」を紹介しているのが嬉しかったです(エッセイが書かれたころは、まだ邦訳されていなかったのですね)。

オススメ度:☆☆☆




城 夢想と現実のモニュメント 澁澤龍彦コレクション (河出文庫)
河出書房新社
2013-02-15
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