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zoom RSS さらしなにっき ☆☆☆☆

<<   作成日時 : 2017/12/16 21:27   >>

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(さらしなにっき / 栗本 薫 / ハヤカワ文庫JA 1994)

栗本さんには珍しい(?)SF短篇集です(「SFが珍しい」ではなく、「SF短編が珍しい」のです。念のため)。
80年代前半から90年代前半まで、ぽつぽつと発表された8作品が収められています。

「さらしなにっき」:昭和の高度成長時代以前に子供時代を過ごした原口は、飲み屋で当時の思い出を熱っぽく語っていました。近所にあった白亜の洋館とその窓辺にいた少女に話題が及んだ時、隣で飲んでいた見知らぬ男性が、自分もその洋館を知っていると言い出します。しかし、ふたりが少年時代を過ごした場所は、遠く離れていました……。

「忘れないで」:人類全体が、個人差はあれど、だんだんと忘れっぽくなっていきます。その先に待っているものは――。

「峠の茶屋」:関東最大の暴走族の総長、トウルは、執拗な交通機動隊の追跡を振り切るため、狭い峠道にハーレーを乗り入れます。その先にあったのは、穏やかな老婆と、その夫だという青い目の老人が営む、ひなびた峠の茶屋で、温かなもてなしを受けたトウルは安らいだひと時を過ごします。それから20数年後、反体制のテロリストとして追われたトウルは、再び峠の茶屋を訪れます。そこには、まったく変わらぬ老夫婦がいました。(老夫婦の正体は、中盤で見当がついてしまうのですが(^^;)

「ウラシマの帰還」:人類初の恒星間宇宙船オデッセイ7は、客観時間にして130年にわたる探検を終え、地球に帰還します。クルーたちは英雄として迎えられますが、その歓迎ぶりには、どこか不自然さが感じられました。

「走馬灯」:ある日、空に異様な光景が現れます。そこには、地球の誕生から現在までの姿が、早送りで映し出されているようでした。

「最後の夏」:世紀末が近づいたころ、世間にはホモにレズ、おナベにおカマといった人々があふれていました。それは、人類に忍び寄る静かな“滅び”の先触れとなるものでしたが――。

「パソコン日記」:それまで手書きにこだわっていた作家・栗本薫は、はじめてパソコンなるものを購入し、ワープロソフトなるものを使って文章を打ってみようとします。最初はぎこちなく、しかしタイピングをマスターするにつれ、執筆スピードは上がり、ついには超人の域に達していきます。そのころには、自分がパソコンを使っているのか、パソコンに使われているのか、わからなくなっていました。

「隣の宇宙人」:半村良さんが書けば人情噺になり、栗本さんが書けば「エーリアン殺人事件」もかくやというナンセンス・スラップスティックになります。紹介不要(いや不能?)。

オススメ度:☆☆☆☆




さらしなにっき (ハヤカワ文庫JA)
早川書房
2017-05-31
栗本 薫

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