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zoom RSS クトゥルー13 ☆☆☆

<<   作成日時 : 2017/08/15 23:35   >>

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(クトゥルー13 / 大瀧 啓祐:編 / 青心社文庫 2005)

蒼心社文庫版の『クトゥルー――暗黒神話体系シリーズ』の第13巻にして、最終巻です。第1巻を読んだのは1991年の春でしたから、四半世紀をかけて、ようやく完結・読破したことになります。本巻には、資料のほか9作品が収録されています。

「彼方からあらわれたもの」(オーガスト・ダーレス):錯乱状態で発見されたオックスフォード大学の学生ジェフリイは、星型の石を握りしめていました。仲間の学生の話によれば、破門された修道士クリタヌスの著書『告白録』をひもといたジェフリイが、古い修道院の地下墓所の棺から星型の石を取り去ったために、聖アウグスティヌスが封印したクトゥルーの眷属を解き放ってしまったといいます。周辺の村では、怪物に襲われたと思われる犠牲者も発見されていました……。

「エリック・ホウムの死」(オーガスト・ダーレス):オカルトマニアのエリック・ホウムは、修道士クリタヌスの『告白録』に記された呪文を使って、“クトゥルーの落し子”を召喚し、友人のランシングの家へ向かわせます。ランシングは、あらかじめホウムから教わっていた呪文で怪物を追い返しますが――。

「遥かな地底で」(ロバート・バーバー・ジョンスン):深夜、最終電車が通り過ぎた後のニューヨークの地下鉄で、毎夜のように人知れず探索と死闘が行われていました。地下の深淵から這い出てくる異形の“人間ではない人間”――放っておけば、電車が転覆され、犠牲者が貪り食われます――を見つけては、マシンガンで退治する特殊部隊の存在は、誰にも知られていません。人類学教授から特殊部隊の隊長にスカウトされたクレイグは、25年にわたって激務を続けてきましたが……。プレストン&チャイルドの「地底大戦」を思い出せる物語です。

「本を守護する者」(ヘンリイ・ハーセ):禁断の稀覯本を探して古書店をめぐっていた語り手は、初めて訪れた古書店で、人間離れした容貌を持つ小男から、『ネクロノミコン』や『無名祭祀書』をはるかに凌ぐという書物を渡されます。序文によれば、その本は人知を超えた太古に未知の惑星ヴールの住人が、異次元に住む不定形の存在に操られて著したもので、次元を経巡って、この地球に出現したものでした。そして、その本の守護者として定められた者は、次の守護者に引き継ぐまで、永遠に生き続けなければなりません。

「哄笑する食屍鬼」(ロバート・ブロック):精神科医のもとを訪れたチョーピン教授は、太古の邪悪なものどもが現れる悪夢に悩まされていることを打ち明けます。それどころか、夢に出てくる霊廟を実際に見つけたというのです。医師は、治療(曝露療法)の一環として、深夜、教授と一緒に霊廟を訪れますが、その地下には――。

「ブバスティスの子ら」(ロバート・ブロック):アメリカ人の語り手は、学生時代の友人、好事家のマルカムを訪ねてイギリスを訪れます。マルカムは、ローマ時代にエジプトの神官がイギリスを訪れていたという学説を信じていました。ふたりはコーンウォールの古い採掘坑を探索するうちに、古代エジプトのものらしい廃墟に行き当たりますが、そこには伝説の“死体を咀嚼するもの”が息づいていました。

「恐怖の鐘」(ヘンリイ・カットナー):カリフォルニアの洞窟の中で発見されたサン・ザヴィエルの鐘は、先住民とメキシコ人の間に伝わる伝説では、鳴らせば“夜の恐怖”をもたらすものでした。しかし、発見者たちは伝説を信じずに鐘を鳴らし、恐るべき運命を手繰り寄せてしまいます。

「緑の深淵の落とし子」(C・ホール・トムソン):ジェイムズ医師は田舎暮らしに憧れて、海辺の鄙びた村ケイルズマスに引っ越しますが、村人たちから敬遠されているヒース館で父親とふたりぐらしのカッサンドラと親しくなります。カッサンドラの父ラザルスは、昔は世界の海を旅した船乗りでしたが、乗っていた船が遭難して孤島へたどり着き、生還して故郷に戻ったときには幼いカッサンドラを連れていました。その後ラザルスは不可解な状況下で死亡し、残されたカッサンドラはジェイムズと結婚します。ジェイムズは、新妻の悲しみを和らげようと都会に引っ越しますが、カッサンドラは次第にやつれ、しきりに故郷のケイルズマスに戻りたがります。気が進まないままケイルズマスに戻ったジェイムズは、妻が身ごもったことを知りますが、お腹の子の父親はジェイムズではなく、人間ですらありませんでした。

「深きものども」(ジェイムズ・ウェイド):超心理学者でテレパシーやESPの専門家ドーン青年は、イルカと人間とのコミュニケーションを研究するウィルヘルム教授に協力するため、カリフォルニアの動物学研究所に転職してきました。イルカと心を通じ合わせることができるという、インスマスという港町出身のジョウジフィーン・ギルマン(なんとあからさまな!(^^;)と、人に慣れたイルカのフリップとの意思疎通を確立するため、オカルトを信奉するヒッピー集団の妨害を受けながら、ドーンと教授はイルカの言語の研究を進めます。しかし、明らかになったのは、イルカ族の正体と、彼らが人類に対して目論む恐るべき企みでした。

オススメ度:☆☆☆





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