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zoom RSS 千里眼の死角 ☆☆☆☆☆

<<   作成日時 : 2017/08/11 20:27   >>

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(千里眼の死角 / 松岡 圭祐 / 小学館文庫 2004)

臨床心理カウンセラーの嵯峨敏也を主人公とする「催眠」シリーズ、元女性航空自衛官の岬美由紀を主人公とする「千里眼」シリーズの第10作で、これまでのシリーズの一つの集大成とも呼べる作品です。宿敵メフィスト・コンサルティングとの確執にも決着がつくことになります。

世界各地で、奇怪な「人体自然発火現象」が発生し、何人もの犠牲者が出ます。やがて、犠牲者はみな、雑誌「タイム」が特集した「世界で最も暗殺の標的にされやすい人物」リストに掲載されている人物だということが明らかになり、単なる偶然では済まなくなります。実行手段はどうあれ、続発する人体自然発火現象には、何者かの意思が働いているようでした。
そんな中、英国のシンシア王妃も、自分は狙われていると思い込み、公務をこなすことすらできない精神状態に陥っていました。シンシア妃を重要な式典に出席させなければならない英国政府は、イギリス心理学会(PBS)にカウンセラーの派遣を要請しますが、やって来たのは、ロンドンで開かれたPBSのシンポジウムに出席していた嵯峨敏也という頼りなさそうな日本人青年でした。しかし、嵯峨は狂気のようなシンシア妃の言葉(時速63マイル以上での移動中や、遮音室にいれば安心できる)に真実を読み取り、彼女をバッキンガム宮殿から誘拐もどきの手段で脱出させると、ロンドン市内のカーチェイスの果てに、シンシア妃を死の運命から救うことに成功します。代わりに人体自然発火の犠牲になったのは、シンシア妃が投げ捨てたブレスレットを拾ったホームレスでした。(この嵯峨の活躍シーンは、「愛国者のゲーム」の冒頭のジャック・ライアンの活躍を髣髴させます)
事件の謎は深く、自分だけの手には負えないと判断した嵯峨は、やはりシンポジウムに出席していた岬美由紀に出馬を要請します。シンシア妃の言葉や標的となったブレスレット、犠牲になったホームレスの死因などを聞き出した美由紀は、ある推理を組み立て、ワシントンへ向かいます。
元の上官・仙道空将のコネクションを使ってペンタゴンの首脳と連絡を付けた美由紀は、アメリカ合衆国の最高機密で防空の要でもあるディフェンダー・システムの中枢を訪れます。このシステムは、レーガン政権下で推進されたスターウォーズ計画の発展形で、赤外線熱探知装置とレーザー兵器を搭載した衛星群を配置し、米本土を狙うミサイルを捕捉して撃墜するというものでした。そして、このシステムは、プログラムを変更すれば、地上目標(例えば、特定の人間)を補足して攻撃することも可能です――攻撃された人間は、血液の突沸によって一気に燃え上がり、命を失うことになります。
現在、ディフェンダー・システムは高度なAIによって制御されていました。美由紀は制御用のAIが何者かにハッキングされ、各地の人体発火現象を引き起こしているのではないかと考えたわけですが、技術責任者のボイトやアンダーソンは、セキュリティは完璧で、ハッキングもプログラムの改竄もあり得ず、誤動作に過ぎないと断言します。しかし、誤動作の原因は不明で、バイオ素子による重要なサブプロセッシング部分を切り離して、制御AIの処理能力を大幅に制限するという対症療法しか取れていないというのが現状でした。
不満と不安を抱いて帰国した美由紀は、思いがけない人物の接触を受けます。洗脳によって世界を裏から動かそうとしているメフィストコンサルティングの幹部、過去に何度も美由紀と対決したダビデが、在日米軍に亡命を求めてきたのです。ダビデが言うには、新たにメフィストコンサルティングの総帥となったマリオン・ベロガニアの過激路線と対立したダビデは、同社をリストラされ、命すら狙われているといいます。ダビデが言うには、ディフェンダー・システムは間違いなくメフィストコンサルティングに乗っ取られているのでした。ダビデは、美由紀の暮らすマンションの隣室を占領し、マリオン率いる現メフィストコンサルティングとの共闘を申し出てきますが、これまでの経緯を考えれば、あっさり信用するわけにもいきません。
そうこうしているうちに、マリオンはディフェンダー・システムを進化させ、地球上のあらゆる武器・兵器の破壊を命じて、実行に移させます。世界各地の軍事基地はすべて破壊され、日本の自衛隊基地も例外ではありませんでした。マリオンは、進化したディフェンダー・システムを振りかざし、全世界に降伏を要求してきます。アメリカ政府はディフェンダー・システムの管理中枢を爆破する指令を下しますが、メフィストコンサルティングはすでに同じシステムを別の場所の秘密施設に構築していました。ダビデの助言を受けた美由紀はメフィストコンサルティングの日本支社へ潜入し、マリオンが潜む秘密基地の場所を突き止めようとします。しかし、罠にかかって死の淵へ身を投げようとした瞬間、駆け付けた嵯峨とダビデに救われます。
マリオンの地下秘密基地がカリブ海の孤島にあることをつきとめた美由紀は、自ら志願して、生き残った米空軍とともに決死の攻撃をかけるのですが――。

オススメ度:☆☆☆☆☆




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