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zoom RSS グラマリエの魔法家族1 星から来た魔法使い ☆☆☆

<<   作成日時 : 2017/05/04 20:19   >>

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(グラマリエの魔法家族1 星から来た魔法使い / クリストファー・スタシェフ / 富士見文庫 1988)

SFとファンタジーを融合させた『グラマリエの魔法家族』シリーズの第1巻です。
本シリーズは、原書では12巻まで出ているようですが、日本では第5巻までが翻訳刊行されています。ちなみに日本語版では、原書の第1巻、第2巻をそれぞれ分冊で刊行しています。従って、本書と日本語版第2巻「魔女と魔法使い」、それから第3巻「キング・コボルドの復活」と第4巻「戦乱のグラマリエ」は、同じ長編の前後半になりますから、続けて読むことをお勧めします。原書の第3〜5巻は、日本語版第5〜7巻として、分冊化せずに刊行しているようです。

はるかなる未来、地球を発祥の地とする人類は、銀河全体に版図を広げています。全体主義による独裁政治や無政府主義を憎み、民主主義を信奉する組織DDT(地方自治体民主裁定委員会)は、その下部組織SCENTを通じて、宇宙各地に点在する失われた植民惑星(人類の拡散期に植民されたまま、孤立してしまったコロニー)を発見することに努めていました。そして、見つかったコロニーに情報員を送り込み、民主主義が発展するよう、状況に合わせて裏工作を施しているのでした。
SCENTの情報員のひとりロッド・ギャロウグラスは、失われた植民地と思われる惑星を発見し、人類文明が存在する島大陸に着陸します。相棒として、記録と分析、そして状況に応じて助言してくれるロボット頭脳(現代風に言えばAIでしょうか)のフェスを連れていますが、このフェス、非論理的状況に直面するとフリーズしてしまうという欠点があります。案の定、いきなり上空をホウキに乗って飛び回る若者たちや土の中から出現した小人を発見したため、フェスはフリーズしてしまうのでした。
とにかく状況を確認しようと、ロッドは正体を隠すために傭兵を装い、黒毛の馬を模したアンドロイドにフェスを組み込むと、女王がいると思われる都市ラミニードへ赴きます。まず広場で貧民相手に貴族階級打倒を訴える若者を目撃した後、馬車に乗って通り過ぎた若い女王の横顔を垣間見たロッドは、場末の酒場で喧嘩に巻き込まれ、大男のビッグ・トムを倒しますが、結果的に、地元の情報に詳しいビッグ・トムを従者とすることになります。その晩、宿屋の外に出たロッドは悪戯エルフのパックが仕掛けた罠にかかり、人狼と戦う羽目になりますが、その戦いぶりを見たパックから、善なる魔法使いという評価を受け、この惑星のエルフ族を味方につけることになります。
翌日、兵士として雇ってもらおうと城に乗り込んだロッドは、ドワーフの道化ブロム(体術の名人でもあります)と互角の勝負を演じて実力を認められ、女王の護衛として採用されます。キャサリン女王は弱冠20歳と若く、急進的な考えで独善的に物事を進めるため、伝統を重んじる貴族評議会と対立しがちでした。奇怪な力を持つため人民から迫害されていた魔女たちを保護する政策をとったことも、貴族たちの反感を買っています。ほとんどの貴族は女王を敵視していますが、貴族の長老格のログワイア公爵(キャサリンの伯父でもあります)が睨みを効かせているため、なんとか決裂は免れています。ロッドは、貴族たちが召し抱えているという顧問官たちの外見や態度が気になるのでした。
その夜、町を散策していたロッドは、最初の日に貧民に檄を飛ばしていた若者が剣士の集団に襲われているのを助け、彼がログワイア公爵の次男チュアンであることを知ります。チュアンは幼馴染のキャサリン女王を愛していましたが、王位を狙っているという讒言によって追放され、ラミニードの下層社会で貧民たちの地位向上を画策しているのでした。そして、彼らの根城である酒場“グロービスの館”を経営する小男の“まがいとっつぁん”と、城の道化のブロムがひそかに協力しているようです。また、チュアンは、父であるログワイア公爵の顧問官デューラーが兄アンセルムを唆して、女王に反旗を翻させることを心配していました。
フェスと状況を分析したロッドは、SCENT以外の外部勢力がグラマリエに影響を及ぼしていることを確信します。理由は、魔女たちの存在でした。ロッドが見た限り、魔女や魔法使いと呼ばれる人々は、テレパシー、テレキネス、テレポーテーションなどの超能力を持つエスパーでした。おそらく、最初にグラマリエに入植した地球人の間に、超能力を発現させる遺伝子が存在しており、この惑星の自然条件も相まって、多数のエスパーが生まれたのでしょう。そして、距離に関係なく瞬時に意志疎通できるテレパシーこそ、遠く離れた惑星間をリアルタイムで結ぶコミュニケーション手段として、どの文明からも垂涎の的なのでした。テレパスを抑えた者は宇宙を制すると言ってもいいかもしれません。そして、おそらくデューラーら顧問官は、外部勢力のエージェントなのでしょう。
魔法に見せかけた科学力を使って、魔法使いらしく(笑)デューラーによる女王毒殺の試みを繰り返し阻止したロッドは、魔女集会に呼ばれ、そこには若者しかいないことを知ります。年かさの魔女たちは、迫害され続けたために、みな人里離れた土地に隠れ住んでおり、女王の呼びかけにも答えようとしないそうです。
やがて、女王に呼び出されたロッドは、ログワイア公爵の領地の不穏な噂を調査し、公爵の身の安全を図るよう命じられて、フェスやビッグ・トム(どうやら、この男も見かけ通りの人間ではなさそうです)を連れ、南方へ赴くことになります。

後半(第2巻)へ続きます。

オススメ度:☆☆☆






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