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zoom RSS 出雲伝説7/8の殺人 ☆☆☆☆

<<   作成日時 : 2017/04/16 20:32   >>

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(出雲伝説7/8の殺人 / 島田 荘司 / 光文社文庫 2003)

『吉敷竹史シリーズ』の第2巻です。

山陰本線を中心とする国鉄(時代は民営化以前なので、JRではありません(^^;)のローカル線各線で、女性のバラバラ死体が発見されます。右手、左手、右脚、右太もも、左脚、左太ももが、それぞれ黒いビニール袋に包まれ、キオスクで売られているビニール装の紙袋に入れられて、電車の網棚に載せられていたのです。手足はすべて、山陰本線から分かれるローカル線の終点で発見されますが、胴体が収められた大きなバッグのみ、鳥取発の急行列車の終点、大阪駅で発見されました。そして、首だけは、どこの駅でも発見されません。警視庁捜査一課の刑事・吉敷竹史は、たまたま休暇で山陰各地を旅行していましたが、騒然とする鳥取駅で旧知の鳥取県警の刑事・石田と出会い、図らずも、この怪奇な事件に関わることになります。
やがて、遺体が入っていた紙袋が東京駅で売られたことが判明し、吉敷は鳥取県警と協力して正式に事件を担当することになります。首が見つからず、手足の指紋は硫酸で焼かれており、体には手術跡などの目立った特徴もないため、身元の確認は難航します。ところが、警視庁に寄せられた匿名の投書から、捜査は大きく進展することになります。
手紙には、被害者はK学院大学の歴史民族学教室で助手を務める青木恭子だと記されていました。吉敷は教室を投書、指導教授の中園、同僚の助手・野村操らに話を聞きます。青木恭子は良家の令嬢で成績も優秀、いくつもの論文を発表して、次期助教授の呼び声も高いということでした。そして数日前から無断欠勤していることはわかりましたが、それ以上のめぼしい情報は得られません。しかし、帰り道、吉敷は中年男性に声をかけられます。相手はK学院大で国文学の講師をしている波地由起夫で、投書の主でもありました。波地によれば、青木恭子と野村操は、出雲の国の伝説――特に「五穀の起源」や「八俣の大蛇」伝説の解釈をめぐって激しい論戦を繰り広げているということでした。特に出雲出身の野村は、在野の研究家であった父親がまとめた研究を発展させた大胆な解釈を発表していましたが、主流の立場から批判する青木のほうが旗色はよく、野村の説は葬り去られようとしています。おまけに、二人は、独身の中園教授をめぐる恋のさや当てまで演じており、こちらでも青木恭子が勝利を収めて、つい先日、婚約を発表したばかりだといいます。
こうして、野村操には青木恭子を殺害する強力な動機があることが判明したわけです。吉敷は、被害者が青木恭子で、殺害犯が野村操だという仮設に基づいて、捜査を開始します。それ以前に、吉敷は、バラバラ死体が東京発のブルートレイン「出雲1号」に乗車した人間の手で、停車時間にそれぞれローカル線の始発列車に載せられたという推理を進めていました。つまり、被害者の死亡推定時刻から判断して、犯人は「出雲1号」の車内の寝台個室で青木恭子を殺害し、ノコギリで死体を解体したうえで梱包し、ローカル列車に載せたということです。「出雲1号」の車掌は、静岡県内を走行中、個室で毛布をかぶって寝ている青木恭子らしき女性を目撃しており、隣室には同行者と思われるサングラスでマスク姿の若い男がいたといいます。また、驚いたことに、同じ晩、野村操は「出雲1号」よりも15分ほど早く出発するブルートレイン「富士」に乗車しており、それを証明するかのように、車掌と一緒に写った写真をいくつも提出してきました。
その後、何人かの証言から、野村操の弟が当夜の「出雲1号」に乗っていたこと、さらに青木恭子と思われる女性が、東京駅から「出雲」ではなく「富士」に乗車していたらしいことが判明します。しかし、だからといって、事件に光明が射したわけではありません。野村操に挑発された吉敷は、波地が提供してくれた論文集などで出雲の伝説について勉強するとともに、「出雲1号」をはじめ、遺体が載せられていたローカル線をひとつひとつ実際に乗って旅をすることにします。すると、思わぬ発見があり、そこから犯人の驚くべきトリックが暴かれることになるのでした。

オススメ度:☆☆☆☆





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