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<<   作成日時 : 2012/12/23 18:54   >>

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(レッド・プラネット / ロバート・A・ハインライン / 創元SF文庫 1993)

ハインラインのジュブナイルSF第3作です。「赤い惑星の少年」と同一作品だと言った方が、話が早いかもしれません(こう聞いて、はたと膝を打ったあなたは同世代(^^;)。ところが、この講談社のジュブナイルSF全集、小学校の図書室に揃っていたはずなのですが、なぜかこれは読んだ記憶がありません。同じハインライン作品では、「宇宙船ガリレオ号」は、繰り返し借り出しては読んでいたのですが。欠本だったのかも。
なので、まったくの初読みでした。

火星植民地のサウス・コロニーで暮らす少年ジム・マーロウと友人フランク・サットンは、地球と同等の高等教育を受けるために、コロニーを離れて北方のシルティス・マイナーにある学校で寮生活をすることになります。
この時代、火星には地球人の入植が進んでおり、火星人(身長が高く三本脚の知性あるエイリアン。タコのような姿はしていません)と地球人の間では一応の平和協定のようなものが結ばれていましたが、地球人とは異質のメンタリティを持つ火星人たちは、次第に自分たちの居留地に閉じこもるようになっていました――このあたりの関係は、ブラッドベリの「火星年代記」の世界観に似ています。また、火星開発の実権は地球に本拠がある“カンパニー”が一手に握り、ジムの家族ら一般の火星開拓者は単なる労働力として一段下に見られていました。
入学に当たって、ジムは小さいころから一緒にいる火星の原住生物バウンサーのウィリスを、隠れて連れて行くことにしました。ウィリスはボール(マリモ?)のような外見をしており、必要があれば3本の突起を使って転がるように走り、3本の眼茎を突きだして物を見ます。ある程度の知性を持っているようで、慣れれば簡単な会話ができますが、ウィリスの特技は、生きた音声メモリーのように、周囲で交わされた会話や流れていた音楽をそっくりそのままコピーして再現できることでした。マーロウ家では、その能力のせいで、思いもよらぬトラブルになることもあります――こっそりと口にした誰かの悪口を、ご本人の目の前でウィリスが再現することもあるわけですから。
シルティスへ向かう途中のステーションで休憩したとき、散歩に出かけたジムとフランクは、迷子になったウィリスを追っているうちに火星人と出会い、そのゲッコーという名の火星人と信頼関係を得ます。
入学してみると、新任の校長ハウが理不尽な厳しい規則を押し付けており、前任者のリベラルな学校運営に慣れていた生徒たちは不満を募らせていました。あからさまに反抗したジムは、問題児として目を付けられ、ことあるごとにハウに嫌がらせをされるようになってしまいます。やがて、ジムが無断で“ペット”(ウィリスのこと)を飼っていたことがハウ校長にばれ、ウィリスは没収されてしまいます。ウィリスを取り戻すとするジムとフランクは夜中に校長室に忍び込もうとしますが、なんとウィリスは自力で脱出してきました。しかも、校長室で話されたハウと火星総司局長(つまりカンパニーの火星における責任者)ビーチャーとの密談の内容を、一言一句ありのままに再現するのでした。その内容は、冬が来れば別の半球に集団移動するコロニーの開拓者たちに、移動を許さないとするもの――つまり、極寒の冬に開拓者たちを放り出して見殺しにするも同然の悪辣な計画でした。
すぐにサウス・コロニーに知らさなければならないと決心したふたりは、便利屋の同級生スマイス(「大脱走」のヘンドリーみたいな“調達屋”で、なかなかいい味を出しています。←たとえが分かりにくいです)の協力を得て、深夜の内に学校を抜け出し、スクーターの定期便に乗り込みますが、途中で指名手配されたことを知り、脱走して、凍り付いた運河をスケートでひたすらコロニーへと向かいます。追跡をかわしているうちに道に迷ったふたりは(おまけにフランクは高熱を出しています)、火星人と出会い、ゲッコーの名前を出して、火星人のトンネルに匿ってもらうことに成功します。おまけに、火星人は地中を猛スピードで進む設備(地下鉄?)を持っているようで、あっという間にサウス・コロニーへ連れ帰ってくれました。
ジムの話を聞いても父のマーロウ・シニアは半信半疑でしたが、ウィリスが“録音”したハウとビーチャーの会話が決定打となり、カンパニーの悪辣な計画はコロニー中に知れ渡ることとなります。住民集会では、カンパニーと話し合うべきだとの意見も出ましたが、映像通話でビーチャーの態度を見た後では、もはや実力行使しか手段は残されていませんでした。マーロウ・シニアや自警団長ケリー、医師のマクレイ博士らがリーダーとなって、住人は一段となってシルティスへと移動を開始します。シルティスで学校に避難した一行は、再度カンパニーと交渉しようとしますが、ビーチャーは学校を包囲し、脱出しようとする者を容赦なく撃ち殺していきます。こうなっては、コロニー住民も銃を取って戦うしかありません。しかし、ジムとフランクは火星人に助けを求めようと考えて、行動に移ります――。

オススメ度:☆☆☆☆






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