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(宇宙皇子 黎明編8 熱い思いを夜空に / 藤川 桂介 / 角川文庫 1998) 地上編・天上編・妖夢編・煉獄編・黎明編と、全5シリーズ48巻にわたる『宇宙皇子』、遂に最終巻です(煉獄編は事情により未読ですが)。 思えば、1980年以降、壮大な構想を持つSFやファンタジーの長大なシリーズはいくつ書き始められましたが、ともかくも「完結」を迎えたのは、このシリーズが初めてではないかと思います。『太陽の世界』も『グイン・サーガ』も作者の逝去で未完に終り、『幻魔大戦』は時間軸の逆転やパラレルワールドが当たり前なので、どこが終わりなのかわかりません(笑)。 さて、物語ですが、完結編というには、ほとんど大きな事件が起きるわけでもなく、淡々と進んでいきます。神仏の力を具現しながら、天上界の掟に背いて地上で生きることを選んだ宇宙皇子と各務――鬼たちは、天からの攻撃があるのではと不安に思いながらも、夢想楽土の礎を固めようとしています。そんな中、皇子と各務は自分たちの原点とも言うべき飛鳥へ旅をして、過去を見つめ直すのでした。 しかし、天命を受けた火之迦具土神の化身である火龍が御鼻部山にも鳴動をもたらし、戦いが近いことを告げます。そして、鬼たちも皇子と各務がいなくなった場合の覚悟を決め、それを見届けた皇子と各務は、最後の戦いに赴くのでした。 ・・・このような結末が望ましいのかどうかは、意見が分かれるところだと思いますし、読み終わって空しさと唐突感が残るのも否めません。しかし、語弊はありますが、続篇や後日譚を書くという誘惑を排して「後腐れなく」終らせるには、このように、ある意味で「すべてを無に還す」結末しか、選択肢はなかったのではないかと思います。 オススメ度:☆☆☆ |
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