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(星の破壊者〈上〉―銀河戦記エヴァージェンス〈2〉 / ショーン・ウィリアムズ&シェイン・ディックス / ハヤカワ文庫SF 2003) ニュー・スペース・オペラ『銀河戦記エヴァージェンス』三部作の第2巻です。 物語は、第1巻「太陽の闘士」の直後から始まります。ストーリー説明の必要上、どうしても1巻のネタバレになりますので、未読の方はご注意ください。 謎の高等人類クレッセンドが作成した高度な能力を持つAI(人工知能)“ボックス”を極秘輸送する任務を受けていた帝国連邦(CEO)の女性情報将校モーガン・ロシュは、敵対勢力ダート・ブロックとの戦いに巻き込まれ、謎のクローン戦士ケイン、精神感応能力者マイー、牢獄惑星シャッカのレジスタンスのリーダー・ハイドらと共に、ダート・ブロックの最新鋭襲撃艦“アナ・ヴェライン”を奪って、新たな冒険に旅立ちます。 今回の目標は、ケインと同じような超人的な戦闘能力を持った戦士が出現したという、辺境のパラシア星系。これまでのCEOの調査によると、ケインの正体は、2000年前に壊滅した宗教組織“ソル賛美運動”が密かに開発して銀河の各所に潜伏させていた超戦士ソル・ヴンダーキントのひとりではないかと推測されています。探索に参加したメンバーは、ロシュ、ケイン、マイー、ハイド、“ボックス”、“アナ・ヴェライン”と一体化している艦長ユーリという、SF冒険RPGパーティーの定番ともいえる面々です。 ところが到着してみると、パラシア星系は周辺の空間ごと、いずこかへ消え去っていました。ケシュ人が開発した特殊フィールドによって、閉鎖空間に閉じ込められていたのです。このあたりの舞台設定は、まるでATGフィールドで隠された太陽系(『ペリー・ローダン・シリーズ』)のようです。 ようやく空間内部に進入してパラシア星系に到達したロシュの一行は、星系内に散らばった基地や宇宙港が徹底的に破壊されているのを発見します。たったひとりのクローン戦士が引き起こした惨事に(それがタイトル「星の破壊者」の由来)、ケインに対しても不安をおぼえるロシュでした。小型の可動式宇宙ステーション、“ギャライン4”が生き残っていることを知り、“アナ・ヴェライン”はそちらへ寄港します。しかし、そこには狡猾な罠が待ち受けていました。メンバーを分断されたロシュは、ハイドと共に脱出し、微弱な救援要請電波が発信されているのが観測された外縁部の二重惑星を目指します。唯一の衛星モックには、生き残りの自由採鉱民アウトリガーが集結していました。ロシュは、アウトリガーの協力を得ようと説得に乗り出しますが・・・。 今回、物語の都合上(?)、ケインにはほとんど出番がなく、マイーの強力なテレパス能力も無力化されているばかりか、頼りの知恵袋“ボックス”とも切り離されてしまうため、ロシュは自分の知恵と力だけで窮状を打開しなければなりません。“ギャライン4”で再会した軍隊学校の同期生マイアーはお調子者で今ひとつ頼りにならず、ハイドは前巻の負傷から回復しきっていないため、多くを望めません。それだけに、ロシュのヒロインぶりが際立つ展開になっていますが、それが作者の狙いでもあるのでしょう。 ラストで、“ボックス”に関する驚愕の事実が明らかになり、“アナ・ヴェライン”は人類発祥の地といわれるソル星系へと向かうことになります。この続きは完結編「銀河の覇者」にて。ただ、読むのはずっと先になりそうですが(^^; オススメ度:☆☆☆☆
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